<パリ五輪 事前情報◇29日◇ル・ゴルフナショナル(フランス)◇7174ヤード・パー71>
自国開催の「東京五輪」では銅メダルをかけたプレーオフで敗れた松山英樹。3年前の悔しさを晴らすため、「パリ五輪」が行われるフランスに乗り込んだ。現地時間29日には大会前の公式会見に臨み、意気込みを語った。
2021年の夏は松山にとって初めての五輪舞台。コロナ禍もあって無観客のなか、日の丸を背負いメダルに近い位置で最終日をスタートしながら、上位3人に入れず悔しい思いをした。「自分たちの国でやってプレーオフで負けてしまってメダルを取れなかった悔しさは今でも覚えています」と、あのときの記憶は鮮明に残っている。
その後はケガもあって思うようなプレーができない時間が長く続いたが、今年は2月に復活優勝も果たした。日本のエースとして期待が集まる3年ぶりの五輪に向けて、気持ちは高まってきた。「またこの場所に戻ってこられてうれしいですし、3年前以上の結果を出せるように頑張りたいなと思います」とメダル獲得に照準を合わせる。
五輪かメジャーか、プロゴルファーにとってどちらが権威あるものなのか。16年のリオ大会で112年ぶりに五輪競技に復活して以来、問われてきたこの疑問。「グリーンジャケットはゴルフをしている人なら分かると思うけど、知らない人は分からない。日本国民からしたら(五輪の)金メダルのほうが価値は大きい」。東京大会直前の「マスターズ」でゴルファーの“世界一”に上り詰めたが、今度は一人のアスリートとしての偉業を見据える。
最近親しくなったアスリートが、目指していた五輪出場を逃したというエピソードも披露。「出られなかった人の分もしっかり頑張りたい」。スポーツ選手にとって五輪出場がいかに重いものかを実感したいま。日本勢初のゴルフ競技メダル、そして世界の頂点を狙う。