＜全米オープン　3日目＞◇19日◇ぺブルビーチゴルフリンクス(7,040ヤード・パー71)

　拳を握った。パターを突き上げた。王者が吼えた。これがタイガー・ウッズ(米国)のゴルフだ。カリフォルニア州にあるぺブルビーチゴルフリンクスで開催中の、米国男子メジャー第2戦「全米オープン」の3日目。トータル4オーバーの25位タイからスタートしたウッズが、8バーディを奪う猛チャージを見せ首位と5打差の3位に急浮上した。

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　ウッズは出だしから2番、3番と連続ボギーを叩き予選ラウンドの不調を引きずったような立ち上がりとなったものの、この日ティが前に設定され距離が290ヤードと短くなった4番パー4でバーディを奪うと続く5番パー3、さらに6番パー5と連続バーディを奪取。観客のボルテージもここから一気にヒートアップする。しかし、この3連続バーディもタイガーチャージの序章でしかなかった。

　8番でボギーを叩いてスタート時のスコアで迎えた後半。これまでのうっぷんを一気に晴らすかのようなバーディラッシュが幕を開ける。11番で4メートルを沈めガッツポーズを見せると、13番ではラフからチャンスにつけ会心のバーディ。14、15番はチャンスにつけながらバーディを逃したものの、16番では4メートルのバーディパットを沈めド派手なガッツポーズを披露。こうなったらもう止まらない。17番パー3では難しい下りのフックラインを完全に読みきり、バーディパットが決まる前にパターを天に突き上げた。

　そしてとどめは最終18番。ティショットはフェアウェイセンターに立つ木の後ろに。グリーンを狙うにはスタイミーな状況だったが、ゾーンに入ったウッズに不可能はなかった。木の横からインテンショナルに曲げてグリーンを狙ったボールはピン左奥5メートルのイーグルチャンス。王者の魅せた圧巻のプレーに轟音のような歓声がこだました。イーグルパットは惜しくも外れたものの最後もバーディで締め、ムービングサタデーに開幕したウッズ劇場に幕。確かな手応えを掴んだ表情で帽子をとり大歓声に応えた。