その巨大組織からは優秀なゴルファーが次々に輩出され、米ツアーにやってくる。お手本のようなスイング、ハイレベルな技術を備えたエリートたちは、みな上質な粒ぞろいだ。だが、ウッズ級、ミケルソン級のビッグスターにまでは、なかなか育たない。
その理由は、ウッズやミケルソンに感じられる突出した個性や独自性が薄いからだろう。若きエリートたちには、道なき道やイバラの道を自分の力、自分の思考によって切り拓いてきたウッズやミケルソンにあふれる「パンチ」が感じられない。
ゴルフ界のシステマティックな組織化、若い才能を導くための道づくりは、もちろん必要である。だが、ほんの少しだけ、若者たちが自力で開拓することを経験できるような「未開の地」を残しておくことも必要なのではないだろうか。
大都会の中にも自然を残しておくように、巨大化組織の中にも、開拓使のスピリッツやたくましさや勇気を発揮したくなるような荒野をあえて残しておいてほしい。
奇想天外のビッグスターは、そういう原野的な「素」の中から、ある日、生まれいずるもののように思えてならない。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
その理由は、ウッズやミケルソンに感じられる突出した個性や独自性が薄いからだろう。若きエリートたちには、道なき道やイバラの道を自分の力、自分の思考によって切り拓いてきたウッズやミケルソンにあふれる「パンチ」が感じられない。
ゴルフ界のシステマティックな組織化、若い才能を導くための道づくりは、もちろん必要である。だが、ほんの少しだけ、若者たちが自力で開拓することを経験できるような「未開の地」を残しておくことも必要なのではないだろうか。
大都会の中にも自然を残しておくように、巨大化組織の中にも、開拓使のスピリッツやたくましさや勇気を発揮したくなるような荒野をあえて残しておいてほしい。
奇想天外のビッグスターは、そういう原野的な「素」の中から、ある日、生まれいずるもののように思えてならない。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)