PGAツアーが再開したが、トーナメントをひときわ輝かせるのは「ホールインワン」だろう。
全盛期のニクラスは現代のトレンドに近かった【レジェンドのスイング回顧録】
これまでホールインワン達成週に優勝した29選手を見てみると、トム・ワトソン(1977年)、ビリー・キャスパー(1969年)、カリー・ミドルコフ(1952年)など大御所がズラリと並ぶ。中でも、ジョニー・ミラー(1974年)やジーン・リトラー(1969年)は2度達成している。
彼らに共通点はあるのだろうか?
直近で達成したのは、2019年「ジェネシス・オープン」のJ・B・ホームズと、同年「アーノルド・パーマー招待」のフランチェスコ・モリナリ。ホールインワンは至難の業に思えるが、実はそうでもない。2018-19シーズンは38回のエースがあり、94年は44回もあった。2009年「RBCカナディアン・オープン」では4日間で8人が達成。ロバート・アレンビーとハル・サットンは、PGAツアー記録である10回を記録している。
ただ、優勝者となれば話は別だ。2018-19シーズンの優勝は2回だから、確率としては38分の2。アレンビーとサットンは優勝を成し遂げていない。それをホームズは達成したのだから、偉業の一つといえるだろう。
ジェネシス・オープン初日。ホームズの運命のティショットはインスタートの6番だった。146ヤードから放ったティショットが直接カップイン。PGAツアーでは自身3度目のエース達成。この2打が、3日後の優勝を引き寄せた。
「最高だった。戻ってくるのが分かっていたから、カップの向こうに落とした。狙い通りだったよ」
2011年「メモリアルトーナメント」で栄冠を手にしたのはスティーブ・ストリッカーだ。2日目にエースを達成し、PGAツアー10勝目を決めた。「1週間を振り返るとエースや3日目のイーグル、12・16番のアプローチが優勝へのカギになった」と語った。
ゴルフ殿堂入りしたミラーは、1974年に9カ月間で2度のエース達成。1度目は「シーパインズ・ヘリテイジ」、2度目は「カイザーインターナショナル・オープン」だ。シーズン8勝目を挙げたカイザーインターナショナル・オープン3日目。2番(193ヤード)で直接カップインしたティショットを振り返り、「あれは今大会のベストショットだった」と語った。これが8打差をつける大勝利を引き寄せたわけだが、ホールインワンを出したのが最終日なら、副賞としてフォードのセダン車が手に入っただけに、思わず「残念なラッキーだったね」とこぼしたのも語り継がれている。
同じくゴルフ殿堂のリトラーは、5年間で2度、エース達成週に優勝している。1度目は1969年「グレーター・グリーンズボロ・オープン」。2度目は1975年の「ウェストリスター・クラシック」だ。
もっと劇的なのは、2010年「シュライナーズ・ホスピタルズ・フォー・チルドレン・オープン」で優勝したジョナサン・バードかもしれない。何しろエースを達成したのは、マーティン・レアード、キャメロン・パーシーとの3人でのプレーオフだったから……。
優勝とエース達成の歴史を語る中で見逃せないのが、7月16日から行われるメモリアルトーナメントだ。同大会では1991年のケニー・ペリー、04年のジム・フューリック、そしてストリッカーの3人が達成。これは他大会にはない数字だ。
別表を見てお分かりのように、エースを達成したからといって必ずしも優勝に直結するとは限らない。過去20年を振り返ると、ホールインワン達成者の中での優勝者の割合は、最も多いシーズンで7%。シーズン最多のエースが生まれた1994年に至っては、44度のホールインワンが出たが優勝者はゼロだった。ちなみに、通算82勝のタイガー・ウッズは、キャリアの中でホールインワンを出したのは2度だが、やはり優勝には結びついていない。
優勝確率とホールインワン数は必ずしも比例しないものの、大会を盛り上げる大きなエッセンスなのは間違いない。果たして、再開後のPGAツアーでは何度のホールインワンが見られるのだろうか?
■2000年以降のシーズンごとのホールインワン回数と、優勝者の割合
※()内はそのうちの優勝回数
2000年:合計31回(0)0%
2001年:合計27回(2)7%
2002年:合計40回(0)0%
2003年:合計32回(0)0%
2004年:合計34回(1)3%
2005年:合計31回(0)0%
2006年:合計25回(0)0%
2007年:合計28回(2)7%
2008年:合計26回(1)4%
2009年:合計36回(0)0%
2010年:合計38回(2)5%
2011年:合計23回(1)4%
2012年:合計37回(0)0%
2013年:合計30回(0)0%
2014年:合計17回(0)0%
2015年:合計42回(1)2%
2016年:合計31回(0)0%
2017年:合計31回(0)0%
2018年:合計29回(0)0%
2019年:合計38回(2)5%
全盛期のニクラスは現代のトレンドに近かった【レジェンドのスイング回顧録】
これまでホールインワン達成週に優勝した29選手を見てみると、トム・ワトソン(1977年)、ビリー・キャスパー(1969年)、カリー・ミドルコフ(1952年)など大御所がズラリと並ぶ。中でも、ジョニー・ミラー(1974年)やジーン・リトラー(1969年)は2度達成している。
彼らに共通点はあるのだろうか?
直近で達成したのは、2019年「ジェネシス・オープン」のJ・B・ホームズと、同年「アーノルド・パーマー招待」のフランチェスコ・モリナリ。ホールインワンは至難の業に思えるが、実はそうでもない。2018-19シーズンは38回のエースがあり、94年は44回もあった。2009年「RBCカナディアン・オープン」では4日間で8人が達成。ロバート・アレンビーとハル・サットンは、PGAツアー記録である10回を記録している。
ただ、優勝者となれば話は別だ。2018-19シーズンの優勝は2回だから、確率としては38分の2。アレンビーとサットンは優勝を成し遂げていない。それをホームズは達成したのだから、偉業の一つといえるだろう。
ジェネシス・オープン初日。ホームズの運命のティショットはインスタートの6番だった。146ヤードから放ったティショットが直接カップイン。PGAツアーでは自身3度目のエース達成。この2打が、3日後の優勝を引き寄せた。
「最高だった。戻ってくるのが分かっていたから、カップの向こうに落とした。狙い通りだったよ」
2011年「メモリアルトーナメント」で栄冠を手にしたのはスティーブ・ストリッカーだ。2日目にエースを達成し、PGAツアー10勝目を決めた。「1週間を振り返るとエースや3日目のイーグル、12・16番のアプローチが優勝へのカギになった」と語った。
ゴルフ殿堂入りしたミラーは、1974年に9カ月間で2度のエース達成。1度目は「シーパインズ・ヘリテイジ」、2度目は「カイザーインターナショナル・オープン」だ。シーズン8勝目を挙げたカイザーインターナショナル・オープン3日目。2番(193ヤード)で直接カップインしたティショットを振り返り、「あれは今大会のベストショットだった」と語った。これが8打差をつける大勝利を引き寄せたわけだが、ホールインワンを出したのが最終日なら、副賞としてフォードのセダン車が手に入っただけに、思わず「残念なラッキーだったね」とこぼしたのも語り継がれている。
同じくゴルフ殿堂のリトラーは、5年間で2度、エース達成週に優勝している。1度目は1969年「グレーター・グリーンズボロ・オープン」。2度目は1975年の「ウェストリスター・クラシック」だ。
もっと劇的なのは、2010年「シュライナーズ・ホスピタルズ・フォー・チルドレン・オープン」で優勝したジョナサン・バードかもしれない。何しろエースを達成したのは、マーティン・レアード、キャメロン・パーシーとの3人でのプレーオフだったから……。
優勝とエース達成の歴史を語る中で見逃せないのが、7月16日から行われるメモリアルトーナメントだ。同大会では1991年のケニー・ペリー、04年のジム・フューリック、そしてストリッカーの3人が達成。これは他大会にはない数字だ。
別表を見てお分かりのように、エースを達成したからといって必ずしも優勝に直結するとは限らない。過去20年を振り返ると、ホールインワン達成者の中での優勝者の割合は、最も多いシーズンで7%。シーズン最多のエースが生まれた1994年に至っては、44度のホールインワンが出たが優勝者はゼロだった。ちなみに、通算82勝のタイガー・ウッズは、キャリアの中でホールインワンを出したのは2度だが、やはり優勝には結びついていない。
優勝確率とホールインワン数は必ずしも比例しないものの、大会を盛り上げる大きなエッセンスなのは間違いない。果たして、再開後のPGAツアーでは何度のホールインワンが見られるのだろうか?
■2000年以降のシーズンごとのホールインワン回数と、優勝者の割合
※()内はそのうちの優勝回数
2000年:合計31回(0)0%
2001年:合計27回(2)7%
2002年:合計40回(0)0%
2003年:合計32回(0)0%
2004年:合計34回(1)3%
2005年:合計31回(0)0%
2006年:合計25回(0)0%
2007年:合計28回(2)7%
2008年:合計26回(1)4%
2009年:合計36回(0)0%
2010年:合計38回(2)5%
2011年:合計23回(1)4%
2012年:合計37回(0)0%
2013年:合計30回(0)0%
2014年:合計17回(0)0%
2015年:合計42回(1)2%
2016年:合計31回(0)0%
2017年:合計31回(0)0%
2018年:合計29回(0)0%
2019年:合計38回(2)5%