うれしくないのだろうかと、不思議に感じたことは何度もあった。「勝ちましたけど、満足できる内容とは言えなかったので……」。優勝しても、渋い表情で、そんな言葉を口にしたこともあった。
きっと彼は、メジャーで勝つことが究極の目標であり、夢であるのだから、うれし涙はその日のために大事にしまっておいているのだろう。そんなふうにも想像していた。
無感情であるはずはない。その証拠に、試合会場から少し離れた場所で、メジャーになかなか勝てないという苦しい想いが涙になって噴き出したことは、実は一度だけあったのだ。
あれは2017年だったと記憶している。「全英オープン」出場のため、英国入りした松山は、チームメンバーたちとレストランで夕食を取り、さあ帰ろうかと屋外に出たとき、その場で泣き始めたのだそうだ。
やっぱりメジャーで勝ちたい。何度かチャンスはあったが、どれも勝つことはできず、「どうして勝てないのか?」「どうしたら勝てるのか?」と自問自答を続けていた日々の中、松山は周囲の想像以上に気持ちの上で追い詰められていたのだろう。
その年の「全米プロ」でジャスティン・トーマス(米国)に惜敗したとき、彼はインタビューエリアでしゃがみ込み、号泣した。うれし涙はしまい込むことができていても、悔し涙は止められなかった。
きっと彼は、メジャーで勝つことが究極の目標であり、夢であるのだから、うれし涙はその日のために大事にしまっておいているのだろう。そんなふうにも想像していた。
無感情であるはずはない。その証拠に、試合会場から少し離れた場所で、メジャーになかなか勝てないという苦しい想いが涙になって噴き出したことは、実は一度だけあったのだ。
あれは2017年だったと記憶している。「全英オープン」出場のため、英国入りした松山は、チームメンバーたちとレストランで夕食を取り、さあ帰ろうかと屋外に出たとき、その場で泣き始めたのだそうだ。
やっぱりメジャーで勝ちたい。何度かチャンスはあったが、どれも勝つことはできず、「どうして勝てないのか?」「どうしたら勝てるのか?」と自問自答を続けていた日々の中、松山は周囲の想像以上に気持ちの上で追い詰められていたのだろう。
その年の「全米プロ」でジャスティン・トーマス(米国)に惜敗したとき、彼はインタビューエリアでしゃがみ込み、号泣した。うれし涙はしまい込むことができていても、悔し涙は止められなかった。