「年齢を重ねたら、脳を筋肉のように使わないと集中できない。昨日からの2日間はそれができている」。多くのトッププロが簡単に崩れてしまうメジャーの難コンディションで、年齢なりの取り組みとメジャー5勝という経験と実績、そしてハードワークによる肉体をすべて駆使して首位の座をもぎ取った。

道具の面でも今回は2番ウッド、通称ブラッシーをバッグに入れ、大ケガ防止策も施す。ミケルソンといえば『種類違いのドライバー2本体制』や強烈なロフト角のウェッジを使ったロブショットなど、クラブチョイスも話題となることが多い。今回は13年の全英制覇時と同じようなブラッシー使用で、「振りにくいホール」で安全策をとり、難コースに対峙している。

また、アリゾナ州立大ゴルフ部コーチも経験している弟のティムがバッグを担いでいるのも大きい。「弟の風の読みが驚異的。本当にいい働きをしてくれている。おかげで距離感がすごくいい」と、ここまでは兄弟プレーが冴え渡りバーディ量産体制も築けた。

残り2日。50歳にとってはハードな週末となるが、技術、想像力、肉体、すべてを使い切って優勝をつかむことができるか。1968年の本大会でジュリアス・ボロスが48歳で大会制覇を果たし最年長記録を樹立してからてから53年。こうなったら、初の50代メジャー覇者誕生を見てみたい。