ゴルフ最大のイベントが迫ってきた。「全英オープン」、今年で149回目を迎える。昨年は第二次世界大戦以来の中止を余儀なくされたが、今年は英国の地に戻ってくる。そして、「全英オープン」といえば、英国の息吹、スコッチウイスキーを忘れてはならない。

近年、「全英オープン」は大会の公式ウイスキーを発表してきた。2018年から世界最古のオープンゴルフ競技の公式ウイスキーとして、世界中にファンを広めてきたのが伝統と革新のウイスキー『ロッホローモンド』。さまざまな蒸留器を駆使し生まれる多彩な原酒がウイスキーファンを魅了してきた。

ゴルフ発祥の地と言われ、また、ウイスキーが生まれた地として知られるスコットランドで2つのブランドが融合した。「全英オープン」とはどんな大会なのか。そしてロッホローモンドとはどんなウイスキーなのか。10年前、同大会を制した北アイルランド出身のダレン・クラークに聞いてみた。

今年の会場はロイヤル・セントジョージズゴルフクラブ。ロンドンから車で東に約2時間走らせた港町で開催される。そして、ここは、10年前クラークが優勝を果たした地でもある。クラークといえば葉巻をくわえ、地元のビールを飲みながら優勝会見に臨む豪快なプレーヤーとして多くの記録と記憶を残してきた。世界通算15勝。そのうちの1勝が全英だ。

『これを決めれば全英優勝だ！』。クラーク少年にとっては、パッティング練習をしているときの楽しみは、全英制覇を想像すること。「ゴルファーとして、全英オープンはすべてだ」。英国人にとって全英オープンは、計り知れない重みと魅力がある。「10年前に優勝できたときの感情を言い表すのは難しい。真に誇らしい瞬間だった」。

横には自身の記念ボトルを置き、グラスを傾けながら当時を回顧する。そんなクラークのお気に入りはロッホローモンドの「コースコレクション」。特に2019年のものがお気に入りだ。「私の出身のロイヤル・ポートラッシュで行われた大会の記念ボトル。一本は記念にとっておいて、一本は飲む。でも、それだけでは足りないくらい、もっとほしいと思えるボトルだ」。