その後は、バーディが来ても、ミスが絡んだボギーを挟み、なかなか波に乗り切れない。 それでも9番パー4では、2打目が“ショットでチャンスを”という思いが実ったようなスーパーショットになり、2メートルを楽々沈めた。さらに11、12番では連続バーディ。13番のボギーで再び3打差となったが、14番ではティショットをミスしてボギーを叩いたシャウフェレにつけいり、一気に2打縮めた。その差は再び『1』に縮まっていた。
「11、12番を獲って、ザンダーもミスして、『いけるかな』と思ったんですけど、詰めがうまくいかないとこういう結果になると改めてわかりました」。その“詰め”がパットだった。15番で1メートルのパーパットを外すと、17番では2メートルのバーディチャンスをものにできなかった。グリーン上には、悔しさを露わにする松山の姿があった。
「17番が終わった時点で、ほぼ(銀メダルすらも)ないと思っていた。セカンドが入るしかチャンスがないが、現実的ではない。バーディを獲って上がれればと思ったんですけど、それも叶わず。最後プレーオフになっていいショットは打てた。(グリーン奥ラフに行った)セカンドはジャッジミス。残念な結果になりました」。もし悔しがったパットが1つでも決まっていたら…。こんな“たら・れば”を考えたくもなってしまうような結末だった。
7月上旬に新型コロナウイルスに感染し、この五輪が自身の復帰戦となった。さらに今年4月の「マスターズ」制覇後の凱旋試合となり、否が応でも期待は集まる。その状況でメダル争いを繰り広げたのは、さすがの一言だ。ただ本人は、「メダルが獲れなかった以上は何の評価もない」とサバサバと話した。「期待に応えられなかったのが悔しい」。自分が担う役割は、もちろん本人が一番理解していた。
これで初出場の五輪が終わった。猛暑のなか行われた激闘を終え、「ゴルフには(毎年)メジャー大会があって、恵まれているなと思った。(五輪は)4年に1度しかないし、結果を出したい気持ちも強かった。経験できてすごくよかったです」という思いが込み上げてくる。3年後のパリ五輪に向けての意気込みを聞かれると、「まあ(星野)陸也に頑張ってもらいましょう(笑)」と煙に巻いたが、再び日の丸を背負う姿が見られることへの期待は高まる。
明日には主戦場とする米国に戻る。「体調もまだよくなっていないので、不安はありますが、試合をやりながら頑張っていきたい」。日本のエースは、金メダルを獲得したシャウフェレも戦う世界最高峰ツアーで、この日の借りを返していく。(文・間宮輝憲)
「11、12番を獲って、ザンダーもミスして、『いけるかな』と思ったんですけど、詰めがうまくいかないとこういう結果になると改めてわかりました」。その“詰め”がパットだった。15番で1メートルのパーパットを外すと、17番では2メートルのバーディチャンスをものにできなかった。グリーン上には、悔しさを露わにする松山の姿があった。
「17番が終わった時点で、ほぼ(銀メダルすらも)ないと思っていた。セカンドが入るしかチャンスがないが、現実的ではない。バーディを獲って上がれればと思ったんですけど、それも叶わず。最後プレーオフになっていいショットは打てた。(グリーン奥ラフに行った)セカンドはジャッジミス。残念な結果になりました」。もし悔しがったパットが1つでも決まっていたら…。こんな“たら・れば”を考えたくもなってしまうような結末だった。
7月上旬に新型コロナウイルスに感染し、この五輪が自身の復帰戦となった。さらに今年4月の「マスターズ」制覇後の凱旋試合となり、否が応でも期待は集まる。その状況でメダル争いを繰り広げたのは、さすがの一言だ。ただ本人は、「メダルが獲れなかった以上は何の評価もない」とサバサバと話した。「期待に応えられなかったのが悔しい」。自分が担う役割は、もちろん本人が一番理解していた。
これで初出場の五輪が終わった。猛暑のなか行われた激闘を終え、「ゴルフには(毎年)メジャー大会があって、恵まれているなと思った。(五輪は)4年に1度しかないし、結果を出したい気持ちも強かった。経験できてすごくよかったです」という思いが込み上げてくる。3年後のパリ五輪に向けての意気込みを聞かれると、「まあ(星野)陸也に頑張ってもらいましょう(笑)」と煙に巻いたが、再び日の丸を背負う姿が見られることへの期待は高まる。
明日には主戦場とする米国に戻る。「体調もまだよくなっていないので、不安はありますが、試合をやりながら頑張っていきたい」。日本のエースは、金メダルを獲得したシャウフェレも戦う世界最高峰ツアーで、この日の借りを返していく。(文・間宮輝憲)