だから、多くのファンや関係者が「今、タイガーって、本当はどうしているんだろう？」と思っており、その疑問に答えてくれたのがストリッカーの前述の言葉だった。言葉の主がストリッカーだったからこそ、信頼性の高い話として、世界中でビッグニュースになった。

なぜ「ストリッカーだからこそ」なのかと言えば、彼こそはウッズのキャリアの最初から現在まで、最も長くウッズに寄り添い続け、励まし合い続けてきた無二の親友だからだ。

現在、ストリッカーは54歳、ウッズは45歳。年齢差は9つもあるが、2人が米ツアーで輝き始めたタイミングは、ほぼ同時だった。超エリートのウッズは1996年にプロ転向して、いきなり米ツアーで年間2勝。一方のストリッカーは大学卒業後に4年以上もミニツアーや下部ツアーで下積み時代を経験後、94年に米ツアーに辿り着き、96年にようやく初優勝と2勝目を挙げた。

それから2人は、それぞれのスピードでトッププレーヤーへの階段を昇っていったが、ウッズが最強時代を迎えた2003年ごろからストリッカーは大スランプへ。しかし、06年、07年に大復活を遂げ、2年連続でカムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞。復活劇の陰でストリッカーをずっと励まし続けていたのがウッズだった。

ストリッカーがトッププレーヤーに返り咲いたころから、今度はウッズがヒザの手術や不倫騒動、たび重なる腰の手術で戦線離脱や欠場を繰り返すようになった。そんなとき、いつも陰で激励していたのがストリッカーだった。

これまで2人はライダーカップやプレジデンツカップで何度もペアを組み、息の合ったプレーぶりを披露。16年ライダーカップでは、2人そろって副キャプテンを務め、17年プレジデンツカップでは、キャプテンを務めたストリッカーをウッズが副キャプテンとして支えた。19年プレジデンツカップでは、逆にウッズがキャプテンを務め、ストリッカーが副キャプテンとして支えた。