「マシュー・ウルフやビクトル・ホブランがすごいと人々が褒める声を聞くたびに、いやいや、僕のほうがすごいんだと言いたくて、それを実証したくて、その想いが僕のモチベーションになってきた」

同じような想いは、米ツアーに辿り着く以前にも抱いたことがあったそうだ。オクラホマ州立大を卒業後、プロ転向し、下部ツアーのQスクール（予選会）に何度も挑んでは失敗したグーチは、2016年のQスクール2次予選のとき、「銀行口座はほとんどゼロ。これでダメだったら、ベストバイ（米国でチェーン展開している電気用品の量販店）に就職するしかない」という状況だった。

だが、「それでは嫌だ。米ツアーで戦いたい。僕にはそれができる」ことを実証したい一心で、グーチは食い下がり、下部ツアーへ、米ツアーへ、そしてツアー5年目を迎えたこの日、悲願の初優勝を遂げてチャンピオンへと上昇した。

「僕は5歳のころからプレッシャーの中で戦うことが好きだった。プレッシャーをエンジョイできない人はプロゴルファーには向いていない。僕は、それをエンジョイできる」

イバラの道を歩みながら、心臓が破れそうなほどの重圧も味わった。だが、そのすべてをエンジョイし、糧にして、前を向いてきたからこその初優勝。グーチもまた「前進している」。

モリカワ、マキロイ、ウッズ、そしてグーチ。ニュースに事欠かなかった日曜日は、ゴルフ界にとって激動の1日だった。