ボールがピンに近づくのをしっかりと見つめ、止まった瞬間に満足の表情を浮かべた。ベストショットに選んだこの一打は、1イーグル・5バーディのラウンドを締めくくる最高のパーとなり、単独首位の座を射止めた中でも、記憶に残る1ショットとなった。

そのほかにも、マスターズ最終日の17番、18番のドライバーショット、ZOZO最終日の18番パー5で2打目をピン奥4メートルのイーグルチャンスにつけるショットも候補に挙げたが、マスターズ優勝に大きくつながったパーセーブが年間のベストショットだ。

20年の秋から使い始め、好調を支えるSRIXONのドライバーショット、世界最高峰ともいわれるアイアンショットに注目が集まるが、職人技の一打を選んだのが実に松山らしい。映像で見るよりはるかに傾斜があり、グリーン奥の下りのアプローチをいとも簡単に寄せた、究極の美技。今年はどんなスーパーショットを見せてくれるのか。22年が終わったときには、何がベストショットに選ばれるのか。年間を通じて松山の技に注目して見るのも実におもしろそうだ。（インタビュー・佐伯三貴、構成・高桑均）