「ボールを当てたのは初めてなので動揺しました」と中島は焦ったが、それで客席は逆に大盛り上がり。グリーンに向かうと、すぐにその男性と握手を交わし、3打目のアプローチを60度のウェッジで1.5メートルまで寄せた。これを沈めてパーセーブだ。「あそこは行ってはいけない場所なので練習してないけど、明日につながりますね」。ナイスアシストをした男性には、その後ボールが手渡され、またグリーン周りはお祭りムードになった。

とにかく「難しい」というコースの印象は、18ホールを終えても消えることはない。それだけにスコアや順位など具体的な目標は設定せず、完璧なショットを打つために集中する。「きょうはきょう。また明日は難しい1日が始まる。結果は後からついてくる」。運と雰囲気、そしてパトロンも味方に、予選通過、上位進出がかかる2日目も戦っていく。（文・間宮輝憲）