そんなポストンが3年ぶりの勝利を挙げた今大会が、憧れのスチュワートが1982年にマンデー予選から出場して初優勝を挙げた大会だったことは、単なる偶然ではなく、運命に導かれた必然のようにさえ感じられる。

これまで一度も全英オープンに出場したことがないポストンは、今大会の上位から3名に付与される全英オープンへの切符を手に入れ、「僕にとって初めてとなる全英オープンが、ゴルフの聖地セント・アンドリュースで開かれる150周年の全英オープンになるなんて夢のようだ。ホーム・オブ・ゴルフ（聖地）へ赴き、その姿をこの目で見る日が待ちきれない」と笑顔を輝かせた。

いろいろなものを積み上げながら、一歩一歩、前進してきたポストン。6歳で憧れたスチュワートと同じ舞台で完全優勝を達成し、まだ見ぬセント・アンドリュースに挑む権利をようやく掴み取った。

ゴルフを教えてくれた最愛の祖父は昨年、亡くなった。だが、今年12月に結婚するフィアンセが、ポストンにとって大きな意味をなしたこの2勝目を優しい眼差しで見守り、弾ける笑顔で祝福した。

長い歳月を経て刻まれていくゴルフ界の歴史と、その中で刻まれていく選手それぞれのパーソナル・ヒストリー。

その重みや深みこそは、PGAツアーならではの味わいであることを、あらためて知らされたサンデー・アフタヌーンだった。