今年6月、ブライソン・デシャンボーがPGAツアーに背を向け、リブゴルフへ移ることを発表したとき、今大会はすでにデシャンボーの写真を印刷した大会チケットを印刷し、販売も開始していた。ロケット・モーゲージとスポンサー契約を結び、20年大会の優勝者でもあったデシャンボーは、ホストプロとしての務めを果たすことを完全に無視する形で移籍し、「時代は変わる。ゴルフも変わるべき」などと臆面もなく自論を展開している。
言うまでもなく、ロケット・モーゲージはデシャンボーとの契約を即刻解消。大会側はデシャンボーの姿が印刷されているチケットは「そのまま有効です」というメッセージを購入者に伝えるなど、本来なら要らぬ手間をかけさせられた。
だが、大会の舞台となったデトロイトGCのヘッドプロは「素晴らしい大会にしようという人々の想いが1つになっている」と語気を強め、その言葉を裏付けるかのように、大勢のギャラリーが詰め寄せていた。主戦場を選ぶ権利は選手にあるとしても、権利を主張する以前に、受けた恩義に報い、感謝の念を示してほしい。1人の人間として、次世代の子どもたちの範となってほしい。
そういう心や姿勢が伴わないゴルフは、観戦する人々の心を動かすことはなく、感動を呼ぶ戦いにはならないのではないだろうか。「次世代の子どもたちに希望と励みを」と涙ながらに語ったフィナウの感動の2週連続優勝を眺めながら、そんなことを考えた。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
言うまでもなく、ロケット・モーゲージはデシャンボーとの契約を即刻解消。大会側はデシャンボーの姿が印刷されているチケットは「そのまま有効です」というメッセージを購入者に伝えるなど、本来なら要らぬ手間をかけさせられた。
だが、大会の舞台となったデトロイトGCのヘッドプロは「素晴らしい大会にしようという人々の想いが1つになっている」と語気を強め、その言葉を裏付けるかのように、大勢のギャラリーが詰め寄せていた。主戦場を選ぶ権利は選手にあるとしても、権利を主張する以前に、受けた恩義に報い、感謝の念を示してほしい。1人の人間として、次世代の子どもたちの範となってほしい。
そういう心や姿勢が伴わないゴルフは、観戦する人々の心を動かすことはなく、感動を呼ぶ戦いにはならないのではないだろうか。「次世代の子どもたちに希望と励みを」と涙ながらに語ったフィナウの感動の2週連続優勝を眺めながら、そんなことを考えた。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)