そして59歳で挑んだ2009年の「全英オープン」では、6度目の優勝にあと一歩のところまで迫った。単独トップで迎えた72ホール目、そのセカンドショットもピンに向かっていったが、アンラッキーなキックもあってボギーに。プレーオフで破れてしまった。

キャディのブルース・エドワーズの存在も忘れることができない。80年代後半にスランプに陥った際は、一度コンビを解消したものの、92年に再びタッグを組むと、96年に9年ぶりの勝利をサポートした。しかし、02年にエドワーズが難病ALSを患っていることが発覚。03年の「全米オープン」では、そんなエドワーズがバッグを担ぎ53歳のワトソンが初日にトップに立つ活躍をみせた。

その大会から約10カ月後の04年「マスターズ」初日に、エドワーズは49歳で永眠。ワトソンは親友の死を受け、05年にALSの研究や患者を支援する慈善団体を設立。現在もチャリティイベントなどの活動を行っている。