「あの負け方には、正直、僕の心は傷ついた。自分はもう2度と勝てないのではないか。そんな気持ちになった」
同じようなことが再び起こるかもしれないという不安は「今日もあった」とヘンリーは明かした。5番で今週初めてボギーを喫したときは「とんでもなくナーバスだった」。しかし、6番からの3連続バーディで巻き返したプレーぶりには、神がかり的な勢いが感じられた。不思議な力で導かれているかのように、ショットが冴え、パットを沈めたヘンリーを眺めながら、思い出されたのは3年前の今大会での出来事だった。
19年のマヤコバでヘンリーは初日「66」と好発進。2日目も「69」でホールアウトし、上位で決勝ラウンドに進もうとしていた。だが、彼はスコアリングテントで妙なことに気が付いた。その日のラウンドで使用した9つのボールの中で「1つだけ、タイトリスト・プロV1のロゴマークの横に小さなドット(丸印)が付いていた」。
そのドットはプロトタイプであることを示す印だった。つまりヘンリーは1つだけ他とは異なるボールを使用し、「1ラウンドで使用するボールは1ブランド」という「1ボール・ルール」に違反したことに気付いたのだ。そのまま黙っていれば、きっと誰にも気づかれることはない小さな事実だった。しかし、ルールに反した事実を隠すことはできず、ヘンリーは自らルール委員に申告した。
とはいえ、1つだけ異なるボールを実際にどこで何ホール使用したのかを確認する術はなく、規定に従って「4ホール使用」という扱いになった。「1ホールにつき2罰打×4ホール=8罰打」を彼は自ら科し、スコアを「69」から「77」に訂正。予選落ちとなってコースを去った。
それからも、ヘンリーは勝てそうで勝てない日々を繰り返してきたが、今年のマヤコバで5年ぶりの復活優勝を遂げたことは、彼の努力と忍耐の賜物だった。「やっと勝てた。大変な1日だった。タイガー・ウッズは、これを80何回(注:82回)もやってきたなんて信じられない。でも、だから楽しい。プレッシャーの下で自分が試されるこの瞬間のために、僕らは戦っている。ゴルフができることがうれしい。PGAツアーで戦えることがうれしい」。
同じようなことが再び起こるかもしれないという不安は「今日もあった」とヘンリーは明かした。5番で今週初めてボギーを喫したときは「とんでもなくナーバスだった」。しかし、6番からの3連続バーディで巻き返したプレーぶりには、神がかり的な勢いが感じられた。不思議な力で導かれているかのように、ショットが冴え、パットを沈めたヘンリーを眺めながら、思い出されたのは3年前の今大会での出来事だった。
19年のマヤコバでヘンリーは初日「66」と好発進。2日目も「69」でホールアウトし、上位で決勝ラウンドに進もうとしていた。だが、彼はスコアリングテントで妙なことに気が付いた。その日のラウンドで使用した9つのボールの中で「1つだけ、タイトリスト・プロV1のロゴマークの横に小さなドット(丸印)が付いていた」。
そのドットはプロトタイプであることを示す印だった。つまりヘンリーは1つだけ他とは異なるボールを使用し、「1ラウンドで使用するボールは1ブランド」という「1ボール・ルール」に違反したことに気付いたのだ。そのまま黙っていれば、きっと誰にも気づかれることはない小さな事実だった。しかし、ルールに反した事実を隠すことはできず、ヘンリーは自らルール委員に申告した。
とはいえ、1つだけ異なるボールを実際にどこで何ホール使用したのかを確認する術はなく、規定に従って「4ホール使用」という扱いになった。「1ホールにつき2罰打×4ホール=8罰打」を彼は自ら科し、スコアを「69」から「77」に訂正。予選落ちとなってコースを去った。
それからも、ヘンリーは勝てそうで勝てない日々を繰り返してきたが、今年のマヤコバで5年ぶりの復活優勝を遂げたことは、彼の努力と忍耐の賜物だった。「やっと勝てた。大変な1日だった。タイガー・ウッズは、これを80何回(注:82回)もやってきたなんて信じられない。でも、だから楽しい。プレッシャーの下で自分が試されるこの瞬間のために、僕らは戦っている。ゴルフができることがうれしい。PGAツアーで戦えることがうれしい」。