フィナウは昨年7月に3Mオープンとロケット・モルゲージ・クラシックを2週連続で制覇したばかりで、今回は出場7試合で実に3度目の勝利を飾ったことになる。

「僕はいつもスペシャルな勝ち方を求めてハードワークを積んできた。いつも自分の欠点や弱点を強化することに努めてきた。今、ようやく、それが報われ始めたように思う」

優勝インタビューで、そう語ったフィナウの姿を眺めながら、思い出されたのは2016年のラスベガスでの出来事だった。

2007年にプロ転向したものの、ゴルフの費用を稼ぐために副業に時間と労力を費やさざるを得なかったフィナウは、思うように練習もできず、草の根のミニツアーと米国男子ツアー・カナダ、下部ツアーのコーンフェリー・ツアーを巡る7年間の下積み生活を経て、2014年10月、夢にまで見た米国男子ツアーに辿り着いた。

2016年の春、プエルトリコ・オープンで初優勝。しかし当時のこの大会は、優勝してもオーガスタへの道は開けておらず、フィナウのマスターズ初出場はこのときは、まだ叶わなかった。

その年の秋、ラスベガスで開催されたシュライナーズ・ホスピタル・フォー・チルドレン・オープンで、フィナウは予選2日間をフィナウは当時、米ツアーに参戦していた石川遼と同組で回ることになった。