カムバックが待たれるなか4月、オーガスタ・ナショナルGCにタイガーの姿があった。開幕前の日曜日、タイガーのプライベートジェットがオーガスタ空港に降り立つと、マスターズファンは大興奮した。実際にはまだまだ右足に痛みを抱えながらも、「準備はできた」と参戦を決意した。

20年11月のマスターズ以来の実戦となった初日は、午前11時4分にスタートし「71」をマーク。2日目も「74」で予選通過を果たしたが、週末は「78」、「78」と伸ばせず47位に終わった。しかし最終日の18番グリーンはスタンディングオベーションで囲まれた。

だが最終的には、今年4日間戦えたのはこのマスターズだけ。5月にはオクラホマ州のサザン・ヒルズCCでの「全米プロゴルフ選手権」に出場しトータル3オーバーで予選通過を果たしたが、第3ラウンドは劇的な寒さに見舞われ「79」と大崩れ。最終日はプロ転向後メジャーでは初の途中棄権で大会を終えた。

6月の「全米オープン」は欠場、7月のセントアンドリュース・オールドコースでの「第150回全英オープン」に満を持して参戦した。残念ながら予選通過は果たせなかったが、18番グリーンに向かうタイガーには惜しみない拍手と大歓声が送られた。「1995年からこのオールドコースでの全英を戦ってきた。次回の開催は2030年？それは体力的に僕がプレーできるか分からない」と自身最後のオールドコースでの全英かもしれないとした。

タイガーが今年、実戦でプレーしたのは上記の3大会で、9ラウンドだけだった。12月、バハマでの「ヒーローワールドチャレンジ」に向けて調整を積んだが、結果は「練習と準備のし過ぎ」で「右脚の足底筋膜炎の痛みを悪化させてしまった」と欠場した。

それでも、翌週にはローリー・マキロイ（北アイルランド）と組み「ザ・マッチ」でジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピース（ともに米国）組と対戦。2週後のPNC選手権ではカートでのプレーに「思った通りのショットは打てる。ただ歩くことがとても大変だ」と現状を語っている。