今年1月に開幕したバーチャルとリアルを融合させた新リーグ「TGL」は14日、独自のルール『ハンマー』の大幅な変更を発表した。
TGLでは、各チーム4人のうち3人が試合に出場し、トリプルス9ホールとシングルス6ホールの計15ホールで対戦するマッチプレー方式を採用している。各ホールの勝者には1ポイントが与えられるが、ハンマーを使用すれば、そのポイントを倍増させることが可能だ。宣言したチームが勝利すれば2ポイントを獲得できる。
ホール開始前に一方のチームがハンマーを宣言した場合、相手チームは拒否できない。一方、ホール途中で宣言した場合は、相手チームに拒否権があるが、その場合は“ギブアップ”とみなされ、1ポイントを相手に献上することになる。こうした駆け引きがTGLの見どころの一つとされていた。
しかし、これまでのルールでは両チームを通じてハンマー使用権が1つしかなかったため、リードしているチームが消極的になりやすいという問題があった。ハンマーを使った後は所有権が相手チームに移るため、リード側は相手が再び使用するリスクを避けるべく、ハンマーを使わずに逃げ切る戦術を取るケースが目立った。その結果、試合の展開に波乱が生まれにくく、期待されたほどのエキサイティングな場面が少なかった。
新ルールでは、各チームが3つのハンマーを所持してスタートする。1ホールにつき1回のみ使用可能だが、両チームが同じホールでハンマーを宣言することもできる。その場合、ポイントは3倍(3ポイント)となり、より白熱した展開が期待される。ホール開始前の宣言に対する拒否権がない点は従来通り。
これにより、どのタイミングでハンマーを使うかが試合の勝敗を大きく左右することになりそうだ。新ルールは2月17日(月)のトリプルヘッダーから即座に適用される。同日はボストンCGに所属する松山英樹が初登場。ローリー・マキロイ(北アイルランド)、キーガン・ブラッドリー(米国)とともにザ・ベイGCと対戦する。(文・武川玲子=米国在住)