2011年の「アブダビHSBCゴルフ選手権」2日目。パドレイグ・ハリントン(アイルランド)がグリーン上でマーカーを置く際にボールにわずかに触れて動いてしまったことが、テレビ視聴者からの“通報”によって判明した。動いたのはディンプル何個分かという世界だったが、高画質になったテレビにははっきり映っており、スコアカード提出後だったためにハリントンは過少申告により失格となった。
しかし、テレビ中継によく映る有名選手だけがこのように視聴者からの通報で失格になるのは公平性に欠くなどの論争も巻き起こり、R&AとUSGAは「選手自身がルール違反に気付かず、そのままスコアカードを提出しても自動的に失格となることは免れる」という新ルールを制定。2011年にゴルフ規則33-7として追加した。この経緯からウッズは今回の裁定を「ハリントン・ルール」と表現したのだ。
今回の裁定はあくまでこのゴルフ規則33-7というルールにのっとってのもの。それがマスターズ委員会が最後まで貫いた建前だ。だが委員会の本音は「はっきりどっちがいいとは言えないけど、ぼくがファンならタイガーがいたほうが確実に盛り上がる」と語った石川遼と同じものだったようにも思う。
ウッズはミスを犯したことをみとめているし、この問題の根本(悪意のないルール違反があとからわかった際に失格するか否か)についてはまだまだ世界で議論されるべきだが、ハリントン・ルールでもタイガー・ルールでもいいからオーガスタでウッズのプレーが見たい。そんな委員会の裁定はどこまでもパトロンと世界中のファンに寄り添ったものだった。それはこの日ウッズに送られた多くの声援が証明している。
しかし、テレビ中継によく映る有名選手だけがこのように視聴者からの通報で失格になるのは公平性に欠くなどの論争も巻き起こり、R&AとUSGAは「選手自身がルール違反に気付かず、そのままスコアカードを提出しても自動的に失格となることは免れる」という新ルールを制定。2011年にゴルフ規則33-7として追加した。この経緯からウッズは今回の裁定を「ハリントン・ルール」と表現したのだ。
今回の裁定はあくまでこのゴルフ規則33-7というルールにのっとってのもの。それがマスターズ委員会が最後まで貫いた建前だ。だが委員会の本音は「はっきりどっちがいいとは言えないけど、ぼくがファンならタイガーがいたほうが確実に盛り上がる」と語った石川遼と同じものだったようにも思う。
ウッズはミスを犯したことをみとめているし、この問題の根本(悪意のないルール違反があとからわかった際に失格するか否か)についてはまだまだ世界で議論されるべきだが、ハリントン・ルールでもタイガー・ルールでもいいからオーガスタでウッズのプレーが見たい。そんな委員会の裁定はどこまでもパトロンと世界中のファンに寄り添ったものだった。それはこの日ウッズに送られた多くの声援が証明している。