<BMW選手権 最終日◇25日◇キャッスル・パインズGC(コロラド州)◇8130ヤード・パー72>
最終日のスタートは絶好調だった。首位のキーガン・ブラッドリー(米国)を1打差で追いかけたアダム・スコット(オーストラリア)は、1番パー5で約13メートルに2オンし、これをねじ込みイーグルを奪うとトータル13アンダー。バーディのブラッドリーをすぐさま捉えた。しかしその勢いは続かなかった。
「10番からの3連続ボギーが敗北の要因となった」とスコット。「ぜんぶウェッジでグリーンを狙ったのにそこで3ボギー、考えられない…」と悔しがった。
10番パー4は13メートルからのバーディトライが2メートルショートし3パットのボギー。11番パー3はバンカーから1.8メートルに寄せたが入らなかった。12番パー4もグリーン右ラフから2メートル強に寄せたが入らずボギー。「あの3ホールでキーガンに余裕を持たせてしまった。キーガンはプレッシャーを感じることなく、ミスを犯さなかった」と振り返った。
2打差で迎えた18番パー4、プレーオフへの望みをかけたバーディパットはカップを通り過ぎた。最終ホールをボギーとしたブラッドリーが1打差で逃げ切った。
「最後に1打で負けたのは本当に残念だった。週末はグリーン上で苦戦してしまった。普通なら入れられる距離も自信がなかったのかもしれない。ティショットはすごくよかったのに、それを十分に生かせなかった」と悔やんだ。
7月の「ジェネシス・スコットランドオープン」に続く過去出場4大会で2度目の2位。「全英オープン」で10位に入ると、プレーオフ初戦の「フェデックス・セントジュード選手権」は18位。ポイントランキング46位から41位に上昇し、第2戦のBMW選手権へと駒を進めた。勝利はできなかったがこの2位でポイントは14位にジャンプアップ、30位までが出場する最終戦に10度目の出場を決めた。
「勝てなくて悔しいが、最終戦に出られるのはすごくハッピーだ。ほんの2週間前までは最終戦に出られるとは思っていなかった。とてもいいプレーができている。こうして出場権を得たことをとても誇りに思う。ゆっくり休んでイーストレイクで2日ほどいいプレーができれば、リーダーボードの上にいけると思う」と44歳のベテランは自信をにじませた。(文・武川玲子=米国在住)