PGAツアー「テキサス・チルドレンズ・ヒューストン・オープン」の最終日。リーダーボードの上段には初優勝を狙う選手や今季からデビューしたばかりのルーキーたちがひしめき合い、その中で世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)の存在はひときわ目立っていた。
シェフラーは米国、スティーブン・イェーガーはドイツ、アレハンドロ・トスティはアルゼンチン、トーマス・デトリーはベルギー、デビッド・スキンズはイングランド。サンデー・アフタヌーンは国際色豊かな優勝争いとなった。
さらに言えば、その戦いは「アーノルド・パーマー招待」と「ザ・プレーヤーズ選手権」に続く出場3試合連続優勝を狙うマスターズ・チャンプのシェフラーと未勝利選手たちの戦いという構図でもあり、経験と実績からすれば、シェフラーの圧勝が予想されていたことは言うまでもない。
しかし、そんな筋書き通りの展開にはならないところが、ゴルフの面白さだった。
大混戦の最終日の終盤。シェフラーが15番のボギーで一歩後退したことで、首位にはトスティとイェーガーが並び、その2人を5人が1打差から追いかける形になった。
しかし、初優勝のプレッシャーは新人選手たちに重くのしかかっていた様子で、トスティは72ホール目に痛恨の3パットでボギーを喫し、一歩後退。
逆に、一度は後退したシェフラーは世界ナンバー1の意地を見せ、72ホール目の第2打でピンそば1.5メートルのチャンスにつけて、メモリアルパークGCの大観衆を沸かせた。