メモリアル・トーナメント最終日の朝、優勝候補の筆頭は、言うまでもなく単独首位に立っていたバッバ・ワトソンだった。今年の4月に2度目のマスターズ制覇を成し遂げたワトソンは、人間的な成長が著しいからこそグリーンジャケットにまたしても袖を通すことができたと、彼自身が感じ、周囲も彼の変化を感じていた。
松山英樹、史上4人目米ツアー優勝までの歩み
そんなワトソンが、3日目の夜、こんなことを言っていた。
「最初にマスターズで勝ったあとは、マスターズチャンプの名にふさわしい選手にならなくてはいけない、ふさわしいゴルフを見せなくてはいけないと思って、自分で自分にプレッシャーをかけていた。でも2度目のマスターズ優勝を果たした今は、こう思う。自分は思っていたより小さな人間で、小さな人間の悪いスコアなんて、何の意味もなさない。nothingなんだって。そう思ったら、とても気が楽になった」
なるほど。それはそれで、とても頷ける言葉だった。だが、マスターズを2度も制した35歳だからこそ言える言葉だとも思った。
なぜ私は、そのとき、そんなふうに思ったのだろう。ドライバーを振れば地球の果てまで飛ばしてしまいそうな怪物的ロングヒッターのワトソンや、昨年のマスターズを制し、今や世界一の王座に座っているアダム・スコットらに、これから挑もうとしている松山英樹が、どんな心境でメモリアル最終日迎えようしているのか。そうやって松山の胸中をあれこれ想像していたから、ワトソンの言葉をちょっとばかり否定したくなったのかもしれない。
松山英樹、史上4人目米ツアー優勝までの歩み
そんなワトソンが、3日目の夜、こんなことを言っていた。
「最初にマスターズで勝ったあとは、マスターズチャンプの名にふさわしい選手にならなくてはいけない、ふさわしいゴルフを見せなくてはいけないと思って、自分で自分にプレッシャーをかけていた。でも2度目のマスターズ優勝を果たした今は、こう思う。自分は思っていたより小さな人間で、小さな人間の悪いスコアなんて、何の意味もなさない。nothingなんだって。そう思ったら、とても気が楽になった」
なるほど。それはそれで、とても頷ける言葉だった。だが、マスターズを2度も制した35歳だからこそ言える言葉だとも思った。
なぜ私は、そのとき、そんなふうに思ったのだろう。ドライバーを振れば地球の果てまで飛ばしてしまいそうな怪物的ロングヒッターのワトソンや、昨年のマスターズを制し、今や世界一の王座に座っているアダム・スコットらに、これから挑もうとしている松山英樹が、どんな心境でメモリアル最終日迎えようしているのか。そうやって松山の胸中をあれこれ想像していたから、ワトソンの言葉をちょっとばかり否定したくなったのかもしれない。