3日目の朝。メディアセンターで米国人記者が半ば驚いた顔をしながら話しかけてきた。「フジタは、こんなに叩いているのに、なぜ棄権しないんだ?今から棄権しても賞金はもらえるんだし、もうやめちゃえばいいのに、どうして彼は棄権しないんだ?」 肩を痛めているから実力発揮は到底できないのだと、彼の事情をあれこれ説明したら、「それなら、なおさら棄権したらいいのに」と、その米国人記者は最後まで不思議そうに首を傾げた。
だが、その一方で、コース上には藤田に熱い声援を送り続ける熱狂的な日本人ファンの一団がいた。日本人が大勢住んでいるロサンゼルスやNYのような大都市周辺ではなく、フロリダ州マイアミでこんなに熱狂な日本人ファンが、最下位の藤田に付いていた光景は、先の米国人記者が目撃したら、さらに首を傾げただろう。
熱狂ファンは、みな30〜40歳代。藤田を小走りしながら追いかけ、一打一打を食い入るように見つめ、藤田がバンカーからうまくピンに寄せると万歳しながら拍手を送っていた。
ラウンド後も、その日本人ファンの一団はフェンス越しから藤田へ無言のラブコールを熱い視線で必死に送っていた。それを藤田に伝えると、「ホントに自分のサインを欲しがっているんですかねえ?もし求められてないのに、こっちから近寄って行っちゃったら恥ずかしいですもん」。そう言いながらも、結局、藤田は彼らのところへ足を運び、言葉を交わし、記念写真に収まった。
「(最下位の)こんな自分をああして応援してくださるのは、ホント、ありがたいです」
肩がどんなに痛くても、藤田が日本の昨季を最後まで戦い続けたのは「賞金王がかかっていたから」。その後、50日以上もスイングできなかったというのに、それでも彼をこの場へ駆り立てたものは「世界の舞台を踏みたかったから」という選手としての意欲。
だが、その一方で、コース上には藤田に熱い声援を送り続ける熱狂的な日本人ファンの一団がいた。日本人が大勢住んでいるロサンゼルスやNYのような大都市周辺ではなく、フロリダ州マイアミでこんなに熱狂な日本人ファンが、最下位の藤田に付いていた光景は、先の米国人記者が目撃したら、さらに首を傾げただろう。
熱狂ファンは、みな30〜40歳代。藤田を小走りしながら追いかけ、一打一打を食い入るように見つめ、藤田がバンカーからうまくピンに寄せると万歳しながら拍手を送っていた。
ラウンド後も、その日本人ファンの一団はフェンス越しから藤田へ無言のラブコールを熱い視線で必死に送っていた。それを藤田に伝えると、「ホントに自分のサインを欲しがっているんですかねえ?もし求められてないのに、こっちから近寄って行っちゃったら恥ずかしいですもん」。そう言いながらも、結局、藤田は彼らのところへ足を運び、言葉を交わし、記念写真に収まった。
「(最下位の)こんな自分をああして応援してくださるのは、ホント、ありがたいです」
肩がどんなに痛くても、藤田が日本の昨季を最後まで戦い続けたのは「賞金王がかかっていたから」。その後、50日以上もスイングできなかったというのに、それでも彼をこの場へ駆り立てたものは「世界の舞台を踏みたかったから」という選手としての意欲。