<ソニー・オープン・イン・ハワイ 3日目◇11日◇ワイアラエCC(米ハワイ州)◇7044ヤード・パー70>
日本勢は3人が決勝ラウンドに進出。そのうちのひとりが、首位と1打差の3位で週末に入った平田憲聖だった。しかし3日目は、1バーディ・1ボギーの「70」とスコアを伸ばすことができず、首位と4打差のトータル9アンダー・16位タイまで後退することに。そのプレーについて、大会を中継する『BS10』で現地リポートを行うゴルフジャーナリストの佐渡充高氏が振り返る。
スタートから最終18番まで平田に密着した佐渡氏は、「きょうは全体的にパットに苦しみました。もう少し早めに入ってくれば違いましたね」と、伸ばしあぐねた要因について話す。
この日の平田のパット数は『34』。「63」をたたき出した前日は『24』だっただけに、数字を見てもその歯がゆさが伝わってくる。これについては本人も、「もうちょっと入ってくれたら、うーん…また流れが変わる一日になった」と、くやしさをにじませた部分だ。
一方で、パーオン率は83.33% (15/18、3位タイ)と、強風のなかでも、そのショット力は輝いた。これは佐渡氏も、「魅力的だったのがショット。正確に、同じ弾道で同じところに落としてきますね。いろいろな状況に対応して、結果的に近くに寄せますし、ショットのセンスを感じました」と絶賛する。
2日目は1~4番の4連続バーディで流れに乗ったが、この日は1番で5メートルを外すと、その後も惜しい場面を連発。文字通り、ショットとパットがかみ合わない一日になってしまった。とはいえ、パットは“水もの”。生命線のショットに狂いが生じているわけではないため、最終日も期待できる状況だ。そして、その気持ちは、「まだ4打差。優勝圏内に踏みとどまりました。パットが入ってくれば、僕はチャンスがあると思う」と話す佐渡氏も同じ。単独トップに立つJ.J.スポーン(米国)ら、上位勢の背中をアグレッシブに追いかけて欲しい。
「特にバックナインで風が強くなったので、あの状況でスコアを伸ばすのは難しいですね」(佐渡氏)というコンディションも、まさに“追い風”になるかもしれない。周りの選手が苦しむなか、今季は下部のコーン・フェリーツアーながら米国で戦うことを決めた24歳が、名刺がわりの逆転優勝を…。こんなサクセスストーリーの完成を楽しみにしたい。