米国男子ツアー“第5のメジャー”と称されるフラッグシップ大会の最終ラウンド。トータル12アンダーでローリー・マキロイ(北アイルランド)とJ.J.スポーン(米国)が並び、勝負の行方はプレーオフに持ち越された。しかし、日没の時間を迎えたため、翌現地時間17日午前9時に再開。3ホールでのストロークプレー(16、17、18番)で争われる。
この大会のプレーオフ決着は、リッキー・ファウラー(米国)がセルヒオ・ガルシア(スペイン)、ケビン・キズナー(米国)を下した2015年大会以来、10年ぶり。あすのプレーオフを前に、この10年前の大会を振り返ってみよう。
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トータル7アンダー・11位タイから最終日をスタートしたファウラーは、上がり4ホールで果敢にピンを攻め、バーディ→イーグル→バーディ→バーディと猛チャージ。トータル12アンダーでホールアウトし、クラブハウスリーダーに立った。その後、ガルシア、キスナーが追いつき、勝負はプレーオフに突入した。
プレーオフは16番から18番の3ホールでのストロークプレー。16番は3人ともパーとして、名物ホールの17番パー3を迎える。
ファウラーがティショットで果敢にピンを攻めてバーディを奪うと、キスナーも負けじとスライスラインを読みきりバーディ。一方、ガルシアはこのホールでバーディを奪えず、続く18番でも唯一チャンスにつけたもののパットは無常にもカップの左へ。ガルシアが脱落し、プレーオフはファウラー、キスナーの2人でサドンデス方式になった。
サドンデスは17番、18番、16番と勝負が決まるまで繰り返していく。だが、その1ホール目の17番であっさりと決着はついた。「相手がいいショットだったので、僕も負けないように」とファウラーが気合を入れて放った打球はピンの右1メートルにピタリ。ウイニングパットを決めると、夕暮れのアイランド・グリーンで何度も何度も拳を握りしめ、大ギャラリーを沸かせた。
三つ巴の激戦を制したファウラーは「調子はずっと良かったし、自信を持ってできた。大きな大会に勝ててうれしいね」。
大会前のアンケートでは『PGAツアーで最も過大評価を受けている選手のひとり』に選ばれていたファウラー。人気選手からトップ選手への仲間入りを果たした瞬間だった。