21歳8カ月での優勝は、ウッズの持つ21歳3カ月14日という最年少優勝記録に次ぐ2番目となった。

　他の選手も、あきらめずに追いかけたといえるだろう。最終日に69をマークしたフィル・ミケルソンが、ジャスティン・ローズと並んで4打差の2位タイ。ローリー・マキロイとウッズは同組で回り、マキロイは通算12アンダーの4位。ウッズは1イーグル・2バーディ・5ボギーの73と出入りの激しいゴルフだったが、通算5アンダーの17位タイは復帰戦と考えれば上々の出来だった。

　そして、1イーグル・4バーディ・ノーボギーの66と、この日のベストスコアタイをマークした松山英樹。日本人勢初の4日間アンダーパーを記録し、通算11アンダーの5位は大健闘だったといえる。

「60台を出せたのはよかったと思いますけど、5位は微妙ですね。（最近）メジャーでトップ10に入っていなかったのでよかったと思いますけど、まだまだできたと思います。（後悔は）残りますよ」

　決して満足しないところが松山らしいところだが、それでも将来における日本人メジャー優勝の可能性を十分に感じさせた。

　こうしていくつかのトピックスはあったものの、2015年のマスターズが「記録」と「記憶」を同時に達成したスピースのための大会だったのは間違いない。タイガー・ウッズ狂騒曲で始まり、ジョーダン・スピース狂騒曲で幕を閉じた2015年は、世代交代を果たしたゴルフ界の「転換点」でもあった。