プロ転向から16年。とうとうメジャー初優勝を挙げ、感無量の様子のウォーカーにデイはやはりメジャー初優勝を挙げた去年の自分を重ねていた。「ジミーの気持ちが手に取るようにわかる。まるで去年の自分をそっくりそのまま見ているようなものだからね」
去年のデイは、メジャー惜敗を繰り返した末にようやく全米プロを制し、「ようやく報われた」と安堵と喜びを口にした。ウォーカーはというと、メジャーの最終日を首位で迎えたこと自体がキャリア初で、これまでメジャーで悔し泣きするほど悔しい惜敗を味わってきてはいない。だが、その代わり、必死に努力を重ねてもなかなか報われない苦労は嫌というほど味わってきた。
そんなウォーカーがとうとうメジャー優勝に輝いた姿は「まるで去年の僕と同じだ」とデイは言った。そして、去年の自分が18番グリーンで長男を抱き合げ、愛妻とキスをかわし、家族みんなで勝利を喜び合ったように、ウォーカーにも同じことを味わってもらいたいと思ったのだろう。
ウイニングパットを沈めたウォーカーに駆け寄っていった2人の子供たちと彼の妻。家族4人で喜び合うウォーカー一家に、デイは心からの「おめでとう」の一言だけを伝えると、デイ自身も家族を引き連れ、控えめにその場から離れていった。
敗北会見でデイの母国オーストラリアの記者がこんな質問を投げかけた。「本当は最終日最終組でウォーカーと一緒に戦いたかったかい?」
デイは数秒間、黙って考え、そして、こう答えた。「イエス!」
去年のデイは、メジャー惜敗を繰り返した末にようやく全米プロを制し、「ようやく報われた」と安堵と喜びを口にした。ウォーカーはというと、メジャーの最終日を首位で迎えたこと自体がキャリア初で、これまでメジャーで悔し泣きするほど悔しい惜敗を味わってきてはいない。だが、その代わり、必死に努力を重ねてもなかなか報われない苦労は嫌というほど味わってきた。
そんなウォーカーがとうとうメジャー優勝に輝いた姿は「まるで去年の僕と同じだ」とデイは言った。そして、去年の自分が18番グリーンで長男を抱き合げ、愛妻とキスをかわし、家族みんなで勝利を喜び合ったように、ウォーカーにも同じことを味わってもらいたいと思ったのだろう。
ウイニングパットを沈めたウォーカーに駆け寄っていった2人の子供たちと彼の妻。家族4人で喜び合うウォーカー一家に、デイは心からの「おめでとう」の一言だけを伝えると、デイ自身も家族を引き連れ、控えめにその場から離れていった。
敗北会見でデイの母国オーストラリアの記者がこんな質問を投げかけた。「本当は最終日最終組でウォーカーと一緒に戦いたかったかい?」
デイは数秒間、黙って考え、そして、こう答えた。「イエス!」