2010年の全米オープンでは最終日を首位で迎えながら82を叩いて8位に甘んじた。その年の全米プロでは72ホール目にバンカーをバンカーと認識できずにソールして2打罰を食らい、プレーオフ進出を逃した。
2015年全米オープンでは72ホール目に3パットしてジョーダン・スピース(米国)に勝利を捧げる結末になった。メジャーではトップ10に11回も食い込みながら勝ちそこなうことの連続だったが、その嫌な流れにようやくピリオドを打つことができたのが昨年の全米オープンだった。
あのときも珍事に遭遇した。最終日の5番グリーンでボールが「動いた」のか、それとも「動かした」のか。ルール上の裁定が二転三転し、ホールアウト後に1打罰が科せられる可能性を告げられたまま優勝争いを強いられたジョンソンは、あのときメジャータイトルの誘惑も焦りも怒りも不条理も、すべてをシャットアウトする術を覚えた。たとえどんな状況になろうとも、たとえ1打罰が科せられるようとされまいと、それでも勝てるだけのスコアを出すことだけに意識を向けた。
まだ現実化していない「可能性」という曖昧なものに惑わされ、狂わされてきた数々の過去に彼が決別できたのは、あのときだった。
「今日という日の終わりに、1打罰は何の意味もなさくなった」
2位に4打差をつけてホールアウトし、1打罰が科せられて3打差へ。それでも勝利したジョンソンの言葉は、プロゴルファーがなすべきことは何なのか、やるべきことは何なのかを私たちに教えてくれた。今週の「ジェネシス・オープン」に臨んだジョンソンの姿勢は、あのときと同じだった。
2015年全米オープンでは72ホール目に3パットしてジョーダン・スピース(米国)に勝利を捧げる結末になった。メジャーではトップ10に11回も食い込みながら勝ちそこなうことの連続だったが、その嫌な流れにようやくピリオドを打つことができたのが昨年の全米オープンだった。
あのときも珍事に遭遇した。最終日の5番グリーンでボールが「動いた」のか、それとも「動かした」のか。ルール上の裁定が二転三転し、ホールアウト後に1打罰が科せられる可能性を告げられたまま優勝争いを強いられたジョンソンは、あのときメジャータイトルの誘惑も焦りも怒りも不条理も、すべてをシャットアウトする術を覚えた。たとえどんな状況になろうとも、たとえ1打罰が科せられるようとされまいと、それでも勝てるだけのスコアを出すことだけに意識を向けた。
まだ現実化していない「可能性」という曖昧なものに惑わされ、狂わされてきた数々の過去に彼が決別できたのは、あのときだった。
「今日という日の終わりに、1打罰は何の意味もなさくなった」
2位に4打差をつけてホールアウトし、1打罰が科せられて3打差へ。それでも勝利したジョンソンの言葉は、プロゴルファーがなすべきことは何なのか、やるべきことは何なのかを私たちに教えてくれた。今週の「ジェネシス・オープン」に臨んだジョンソンの姿勢は、あのときと同じだった。