<メキシコ・オープン 事前情報◇21日◇ビダンタ・バジャルタ(メキシコ)◇7456ヤード・パー71>
ディフェンディングチャンピオンのトニー・フィナウ(米国)が「メキシコ・オープン」を「好きな大会のひとつ」だと言うのは当然だろう。コースと好相性なだけでなく、家族を連れてくるのにも最適。プールで遊んだり、テーマパークでジェットコースターに乗ったり、子供たちにとっても最高のロケーションだ。
昨年優勝した日の夜、パー3で息子たちのキャディをしている様子が米メディアで取り上げられた。これについてフィナウは「ぼくはパートタイムでゴルフ、フルタイムで父親みたいなもの。それが好きなんだ」とコメントした。
「子供たちが若いのは今だけだし、できるだけ彼らのそばにいてあげたい。だから大会にもついてきてもらう。トーナメント会場で特別な瞬間を共有できるのはステキなことだし、優勝したコースのパー3を一緒に回れたのはとても楽しかった」と子供たちとの時間の大切さを語った。
ディフェンディングチャンピオンとして出場することについて、「優勝したことがあるコースに戻ってくるのは、いつもと違う感情がある。歩くと確かな自信が湧いてくる。今週もそうであってほしい」と願った。
そんなフィナウだが、実は金銭トラブルによって2つの訴訟を起こされている。1つは2020年、地元ユタ州のビジネスマンで友人のモリナイ・ホラ氏、もう1つは21年デービッド・ハンター氏によるもの。
ホラ氏は06~09年の間、フィナウ一家に110万ドル(約1億6000万円)を貸し、経済的支援をした。また、フィナウがプロゴルファーとして得た収入の20%を受け取るはずだったと契約違反を主張。訴訟は現在進行中で、今年の10月に裁判が行われる。
一方、ハンター氏はフィナウが07年に立ち上げた“フィナウ・コーポレーション”に投資したことで借金があると主張したが、ユタ州の裁判官によって時効とされた。フィナウ・コーポレーションは09年に解散している。
フィナウにとっては悩みの種だったが、そのうちの一つが解決して一安心といったところか。まだ裁判が控えているものの、まずは目前の戦いに全力を尽くして連覇を果たしたい。