「ジャパンゴルフフェア2025」が行われ、9日にはピンのブースで永野竜太郎、亀代順哉によるトークショーが行われた。
永野は36歳ながら、昨年のドライビングディスタンスは297.41ヤードで14位に位置するロングヒッター。亀代は「太もも70センチ、股下は67センチ(笑)」というチャームポイントのどっしりとした下半身を生かして飛ばす。そんな“飛ばし屋”2人が、1月に発表されたピン『G440』シリーズを語り尽くした。
黄色が差し色であった前作から、タイムレスブルーが映える新作のウッド類を早速、バッグインした2人。「最初の印象はすごく良くて、すぐにスイッチできた」(永野)。「前作に比べて安定性も増していますし、今年は14本すべてピンを使える感じです」(亀代)。それぞれ、新作へ好印象を持ったと話した。
気になるドライバーの性能について、飛ばし屋たちの評価はこうだ。「430もすごくよかったですが、440は振れば振るだけ前に飛んでくれる」(亀代)。「若干重心が下がったことで球が上がりやすい。インパクト前後のヘッドの動きがすごく落ち着いている」(永野)。球の高さが担保され、さらに飛距離も出ると好評価。両者とも、スピンを抑えて強く飛ばせるアスリートモデルの『LST』を使用し、永野がロフト10.5度、亀代は9度を選んだ。
さらに、両者のセッティングを見て興味深いのが、3番ウッドが入っていないこと。永野は『MAX』の4番ウッド(17度)、亀代は『LST』の5番ウッド(19度)を入れていた。4番ウッドは『MAX』のみ、『LST』は3番と5番ウッドがラインナップされている。
永野は、「ロフトが立っていると力んでしまう。ある程度のロフトがあって、前に行って欲しい」という意図から、新たに追加された4番ウッドをチョイス。「地面に吸い付くような感じで構えられる」という『MAX』の顔も好みだという。
一方で、「高さが欲しかった。5番ウッドのロフトで高さがありながら前に飛ばせる」という理由から、亀代は3番ウッドを入れていない。チタンボディとチタンフェースを採用した低スピンで飛ばせる『LST』だからこそ、飛ばし屋の亀代にとっては5番ウッドがベストな選択だった。
地面から打つクラブで一番長い3番ウッドを打ちこなすのはアマチュアにとって難しい。飛距離の出る5番ウッドは、魅力的な選択肢になりそうだ。
さらにその下の番手に、永野は7番ウッド、亀代は3番ユーティリティを入れた。2人ともいわゆる“たらこ型”のユーティリティは苦手と話す。それでも亀代は「今回はすごくハマった。ちゃんと捕まってくれて優しい感じだなと思い、入れてみました」とその性能の高さに頷いた。
トークショーが終わると、ニアピン、ドラコン対決も行われた。ドラコンではツアーでは見られない、ドライバーを振りちぎる豪快スイングを披露してギャラリーを釘付けに。気になるのその最大飛距離は、亀代が335ヤードのビッグドライブに加え、ボールスピード81.5m/sを叩き出した。負けじと先輩の永野もマン振りで応戦。327ヤードと惜しくも亀代に届かなかったが、トップクラスの飛距離を誇る36歳の意地を見せた。
国内男子ツアーは4月10日開幕の「東建ホームメイトカップ」(三重県、東建多度カントリークラブ・名古屋)、下部は4月2日開幕の「Novil Cup」(徳島県、Jクラシックゴルフクラブ)からシーズンが始まる。「3週間ほどで開幕しますが、それに向けて調整をさらにして、みなさんにいい報告ができるよう頑張りたい」(永野)。「今年はチャレンジツアーで戦うので、賞金王を目指して、まずは一勝。開幕戦は地元での開催なので、そこで勝てるように頑張ります」(亀代)。ピンの新たなギアで、今シーズンもかっ飛ばしていく。(文・齊藤啓介)