<ザ・プレーヤーズ選手権 初日◇14日◇TPCソーグラス ザ・プレイヤーズ・スタジアムC(米フロリダ州)◇7275ヤード・パー72>
2019年大会覇者でもあるローリー・マキロイ(北アイルランド)が首位発進を決めた。10バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「65」でプレーしたが、前半18番パー4と7番パー4で2度、ティショットを池に打ち込んだ。
ティイングエリアからグリーンまで左サイドに池が走る18番では、ドロップ位置がかなり手前となり、293ヤードが残った。3打目でウッドを握らされたが、ものともせずに手前18メートルにオン。2パットのボギーで切り抜けた。
だが、7番では“議論”が巻き起こる。ここも左サイドに池が待ち構えており、マキロイのティショットはそこに吸い込まれた。そして『正しいドロップ位置はどこか?』というディベートが繰り広げられることになる。
レッドペナルティエリアを超えてから傾斜でバウンドして池に入ったならば、その赤線とボールが交差した位置から2クラブレングス以内にドロップ、超えていなければ池を横切った地点とカップを結んだライン上から1クラブレングス以内にドロップする必要がある。今回の場合、赤線を超えて戻って池に入ったのか、超えていなかったのかが論点となった。
マキロイは「レッドラインを超えてから池につかまった」と言い、そこから2クラブレングス以内の、バンカーのすぐ左にドロップした。だが、同伴競技者のジョーダン・スピース(米国)はこれに反論。「18番にはレーダーがある。偽善者になるつもりはないけれど、ティイングエリアにいたメディアの人たちも確信を持って言っている。ドロップを間違えないほうがいいんじゃないか?」。
ルールオフィシャル、そして同伴競技者のビクトル・ホブラン(ノルウェー)を加えた話し合いは、8分以上も続いた。そして結局、マキロイの意見が通り、競技は続行。3オン3パットのダブルボギーとなった。
ホールアウト後にマキロイは、レッドペナルティエリアを超えてから戻されて池に入ったことを「強く信じていた」と話していたが、同伴競技者と意見が異なったことで、「自分が見たものが本当に見えたのか」と疑いの気持ちも持ち始めたという。「テレビでは証拠がなかったからとても難しい。僕は固執していた。でもやっぱりスピースは、僕が正しいことをしていることを確かめようとしていたんだと思う」。
「僕はカルマを信じるし、悪いことをすればいつかは自分に返ってくるものだと思っている。もちろん悪いことをしようとしていないし、ルールに従って正しいことをする。あの2回のドロップは明らかにそうだった」。マキロイは持論と弁解を語ってコースを後にしたが、真実はいかに? そして“カルマ”は勝利の女神として微笑むだろうか。