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ダボがあっても4位 石川遼は下位に沈んだ19年大会からどこが成長したのか

石川遼にとって2019年以来2度目の日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」。前週2位に入った「日本オープン」よりもドライバーは散り、アプローチでのミスも目立った。それでも世界のトップ選手たちが集うフィールドで4日間60台を並べ、4位タイに入った要因はどこにあったのか。

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年10月23日 12時30分

<ZOZOチャンピオンシップ 最終日◇22日◇習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>
 
石川遼は前週の「日本オープン」では2位に入り、「間違いなく今年の僕のベストな試合」と調子を上げて、2019年大会以来となる日本開催の「ZOZOチャンピンシップ」に乗り込んできた。始まってみると、日本オープンよりもドライバーは散り、アプローチでのミスも目立った。それでも世界のトップ選手たちが集うフィールドで4日間60台を並べ、日本勢最上位の4位タイに入った。その要因はどこにあったのか。

「バランスがいい」石川遼が日本OPとZOZOで使ったツノ型パター【写真】

最終日はトップと5打差の8位タイからスタート。5番、6番、8番とバーディを奪って、この時点でトップと2打差まで迫った。11番、12番の2つのパー4では「自分にとっては、けっこういいショットだったんですけど」というティショットがどちらもラフへ。「両方ともめちゃくちゃラフに沈んでいて、今週のなかでワースト1、2くらいのライだった」。
 
どちらもセカンドはレイアップして3打目勝負を選択。しかし、11番で3オン2パットのボギー。12番では「パーを獲りたい思いが出てしまった」と、左奥のピンを狙った3打目がグリーンをオーバーすると、4打目のアプローチは1メートルに寄せたものの、下りのボギーパットを外してダブルボギーを喫した。ここでスコアをスタート時のトータル4アンダーに戻してしまう。
 
「12番のダブルボギーはかなりのダメージが来まして…本当に久しぶりに頭に血が上った」
 
11番、12番で一気に3つ落として、気持ちが切れてもおかしくない場面。しかし、今年の石川はここから立て直す力を持っている。「セカンドで無理しなかったのに、3打目で無理することを選択したのは完全に自分の責任。そう自分の中に落とし込みました」と冷静さを取り戻す。
 
続く13番パー3では、ティショットをピンの左3.5メートルに乗せて、2パットのパーで悪い流れを止める。608ヤードの14番パー5では、「今週一番くらいのいいスイングができた」とドライバーを振り切りフェアウェイをキープ。残り270ヤードのセカンドショットは3番ウッドで右手前のラフに運び、砲台グリーンに打っていくアプローチを1メートルに寄せてバーディを奪った。
 
石川の反撃は続いた。15番パー4ではドライバーでのティショットがやや右に抜けてフェアウェイバンカーに入れるも、8番アイアンでピンの右5メートルに乗せる。ここで同組のJ.J.スポーン(米国)のボールがグリーンのはるか奥のカート道まで飛ぶトラブル。競技委員を呼んでドロップしたりと、かなりの時間がかかっていた。それでも「いったん冷静になる時間が欲しかったので、逆に良かったです」と集中力を切らさずバーディ。16番パー3では、およそ15メートルのロングパットを決め、「信じられないような」3連続バーディで息を吹き返した。
 
1位はコリン・モリカワ(米国)が独走していたが、2位は狙える好位置で残り2ホールを迎えた。17番パー4ではうすいドローでフェアウェイをとらえるも、右のピンを狙ったフェードボールは、グリーン右のラフに外してボギー。最終18番パー5でも完璧なドローボールでフェアウェイセンターに運んだ。しかし、2オンを狙った3番ウッドはフェードがかかりきらずに、「ファー!」と大きく左に飛んでギャラリーに打ち込んでしまう。幸いにも前は開けていて「ギリギリ大丈夫」なアングル。ギャラリーに囲まれながら打ったおよそ40ヤードのアプローチを3メートルに寄せて、バーディで締めた。
 
ホールアウト時点でトータル7アンダーは2位タイ。そのあと、後続の選手たちがトータル8アンダーまで伸ばして、最終的には4位タイで大会を終えた。バーディを獲ってはボギーを打ち、また取り返してというゴルフ。「ちょっと浮き沈みがあったので、自分としては手放しに『めちゃくちゃ良かったな』というラウンドにはできなかった。正直、まだまだだなと思います」。顔には充実の色が浮かびながらも、「日本オープンのほうが自分のゴルフができた」と、内容には満足していない。
 
タイガー・ウッズ(米国)が優勝した19年大会は51位タイに終わった。「このままでは世界で通用しない」と20年からはスイング改造に取り組み、クラブセッティングやコースマネジメントも一新。昨年は「三井住友VISA太平洋マスターズ」で3年ぶりの優勝を果たすなど、新しいゴルフスタイルが定着してきた。4年が経ち、今大会では最終日にダブルボギーを叩きながらも4位タイ。本人はこの成長をどのように受け止めているのだろうか。
 
「19年はこの大会に出る前の東海クラシックで強風のときがあって、低い球を打ちにいったらスイングが壊れてしまった。ここに来たときには全然調子が良くなかった。先週も今週もかなり一日のなかで浮き沈みがあったんですけど、ベースとしては悪くなかった」。
 
今大会の2日目は朝から強風が吹き荒れ、午後には最大瞬間風速16.5m/sを観測した。PGAの選手たちがスコアを落としていくコンディションでも、石川はアンダーパーで回り、3日目と最終日もスコアを伸ばしている。一日のなかでいい時間や悪い時間があっても、全体を通してみると、好調が続いているのだ。
 
その要因として石川は「蓄積」を挙げる。
 
「自分の中に蓄積があればあるほど、それに頼ることができる。蓄積がないとコロコロ変わってしまうというか、結局何をやっても結果に意味がなくなって、使い捨てのゴルフになってしまう。やっぱり積み重ねているもので勝負をできているな、というのは正直あります」
 
この4年間、自分を信じてブレずに貫いてきたゴルフが、日本オープンとZOZOチャンピオンシップで2週連続の好結果となって表れたのだ。そして、「一日で見ると分からないかもしれないですけど、スイングだけでなくマネジメントだったり、本当に薄い紙を一枚ずつ重ねていっている感じ。これからも毎日やっていくことに変わりはないです」と語る。試行錯誤しながら重ねてきた膨大な量の紙が、いまの石川を作り上げている。(文・下村耕平)

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