米国下部コーンフェリー・ツアーの第2戦「バハマ・グレートアバコ選手権」で、平田憲聖が2位タイに入った。昨年の最終予選会で出場資格を獲得し、自身のデビュー戦で堂々のプレーを披露。幸先の良い船出となったが、“一軍”であるPGAツアーへ昇格するためには、どのような条件を満たす必要があるのか。主要な3つのルートを解説する。
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■下部ツアー年間3勝
最も手っ取り早い方法は、コーンフェリー・ツアーで年間3勝を挙げることだ。3勝を記録した時点でPGAツアーの正式メンバー資格を獲得し、即座に下部ツアーを卒業することができる。
シーズン序盤で達成できれば、平田にとってこれ以上の展開はない。PGAツアーで優勝すれば当然シード入りとなるが、そうでなくともシード獲得に向けたポイントを積み上げることが可能となる。さらにスケジュールの合間を縫って、日本ツアーに参戦する選択肢も現実的になる。
実際、昨年はマシュー・マッカーティ(米国)が下部ツアーで3勝を挙げ、即座にPGAツアーへ昇格。デビュー2試合目の「ブラックデザート選手権」で優勝を果たした。年間3勝で昇格したのは史上13人目。同一年内にPGAツアーで優勝したのは史上2人目という快挙だった。
■年間ポイントランキング1位
下部ツアーの年間王者に輝けば、翌シーズンのPGAツアー出場資格を獲得。後述するポイントランキング上位者よりも優先順位が高くなり、より多くの試合に出場するチャンスが広がる。
過去にはイム・ソンジェ(韓国)、パットン・キジーア(米国)らが年間1位でツアーカードを手にしている。
■ポイントランキング2位~20位
シーズン終了時点でこの枠に入れば、来季の出場資格を獲得できる。昨季は大西魁斗が25位に入り、今季からPGAツアーに参戦している。昨年までは30位までだった昇格枠が20位までに縮小されたことで、昇格への道のりはより険しくなった。
多くの選手にとって、この枠に入ることが最大の目標。早い段階で“安全圏”に入れば、PGAツアーのマンデートーナメント(予選会)に出場したり、他ツアーへの参戦余裕も生まれる。
平田はもちろん、限定的な出場権を持つ蝉川泰果にとっても、ポイント獲得は急務。限られた試合数のなかで上位に食い込み、リシャッフルを突破できれば、下部ツアーでのチャンスは大きく広がることになる。
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過去には、現世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)をはじめ、ジャスティン・トーマス、デビッド・デュバル、ザック・ジョンソン(いずれも米国)、ジェイソン・デイ(オーストラリア)など、メジャー覇者も下部ツアーからスターダムへの階段を上った。その軌跡を追う平田ら日本勢の活躍に、今後も目が離せない。