しかし、二人の戦いは想像以上に互角の争いとなり、なかなか決着を見ることなく4ホール目までもつれ込んだ。世界3位が184位を「ちゃっちゃと下す」なんてことは「いうは易し、行なうは難し」。それが、ゴルフというものなのだろう。
世界3位とはいえ、ラームはまだ23歳。30歳のランドリーのほうが社会経験豊富な大人である。ゴルフの世界においても、ランドリーは米ツアーも下部ツアーも熟知しており、上から下へ落ちることも、下から上へはい上がることも、すべて経験済みだ。切羽詰まった状態で自身の精神面をどうやって落ち着けたらいいか、そのコントロール方法を知っていたのは、ランドリーのほうだったのかもしれない。
ラームはすでに米ツアー1勝、欧州ツアー2勝を挙げていたが、プレーオフは初めての経験だった。もっとも、プレーオフに関してはランドリーも初体験だったため、そこは二人とも同等だった。
こうしてみると、世界ランクは大きく異なるものの、二人は案外、近い場所に立っていたといえる。それは突き詰めれば、この二人のみならず、米ツアー選手の誰にも当てはまることであろう。
実力差がひっ迫している昨今の米ツアーでは、ここ1、2年ほどの成績によって実績やランクに差が出ているが、それは刹那的なものにすぎない。逆にいえばこれからの1、2年ほどで、あっという間に逆転されてもおかしくない数字ばかりだ。
76ホール目の2打目まで、二人の戦いは本当に互角だった。結果的には、2.5mのバーディパットを入れられなかったランドリーが初優勝を逃がし、ほぼ同じ距離から入れたラームが勝利を挙げた。それは「ツアー2年目に早くも米ツアー2勝目を挙げ、世界ランク2位へ浮上した23歳が、来週の『ファーマーズ・インシュランス・オープン』のディフェンドに挑む」という、素晴らしくよくできたストーリーになったが、よくよく考えれば、ランドリーもラームも「初」の経験に心を震わせながら、たった1打少なく上がることだけに夢中であり必死。そういう戦いだったからこそ、「世界3位」と「世界184位」のプレーオフは、あんなにも長丁場になったのだろう。
世界3位とはいえ、ラームはまだ23歳。30歳のランドリーのほうが社会経験豊富な大人である。ゴルフの世界においても、ランドリーは米ツアーも下部ツアーも熟知しており、上から下へ落ちることも、下から上へはい上がることも、すべて経験済みだ。切羽詰まった状態で自身の精神面をどうやって落ち着けたらいいか、そのコントロール方法を知っていたのは、ランドリーのほうだったのかもしれない。
ラームはすでに米ツアー1勝、欧州ツアー2勝を挙げていたが、プレーオフは初めての経験だった。もっとも、プレーオフに関してはランドリーも初体験だったため、そこは二人とも同等だった。
こうしてみると、世界ランクは大きく異なるものの、二人は案外、近い場所に立っていたといえる。それは突き詰めれば、この二人のみならず、米ツアー選手の誰にも当てはまることであろう。
実力差がひっ迫している昨今の米ツアーでは、ここ1、2年ほどの成績によって実績やランクに差が出ているが、それは刹那的なものにすぎない。逆にいえばこれからの1、2年ほどで、あっという間に逆転されてもおかしくない数字ばかりだ。
76ホール目の2打目まで、二人の戦いは本当に互角だった。結果的には、2.5mのバーディパットを入れられなかったランドリーが初優勝を逃がし、ほぼ同じ距離から入れたラームが勝利を挙げた。それは「ツアー2年目に早くも米ツアー2勝目を挙げ、世界ランク2位へ浮上した23歳が、来週の『ファーマーズ・インシュランス・オープン』のディフェンドに挑む」という、素晴らしくよくできたストーリーになったが、よくよく考えれば、ランドリーもラームも「初」の経験に心を震わせながら、たった1打少なく上がることだけに夢中であり必死。そういう戦いだったからこそ、「世界3位」と「世界184位」のプレーオフは、あんなにも長丁場になったのだろう。