2年半ぶりの決勝進出を果たし、最終日は「65をマークする」と目標設定には強気も見せていた。だが、実をいえば、そういいながらもウッズの胸の中は、やはり不安でいっぱいだったのだ。
「以前の僕は、風を感じた瞬間に『よし、3ヤードプラスで打つぞ』とか、『15フィート左に出すぞ』といったことを自動的に思い浮かべていた。考えなくても、そういうことが簡単にできた。でも、今は考えている。難しいコンディションならなおさら、考えながらじゃないとできない。それは僕にとっては、かなりのチャレンジなんだ」。
昔から考えなくても自然にできていたことが、今は考えなければできなくなっている。それは、持って生まれた特殊な才能が希薄になり、天才が天才ではなくなったといっても過言ではない。
ウッズのチャレンジはほかにもあった。1年ぶりの試合復帰で一番不安だったのは、シチュエーションに応じたショットの打ち分けが柔軟にできるかどうか。「ラフから打ち出せるかどうか。木を避けてショットを左右にシェイプできるかどうか。ときには加速して打つ必要もあった。でもどれも問題なくできた」。
米ツアーのトッププレーヤーなら当たり前のようにできるであろう項目ばかり。だが、今のウッズはそれさえも一つ一つ取り戻していくしかない。
焦らず、一つ一つ――。かつてゴルフの世界を独走し、疾走していた元王者が、そうやって地をはうように進んでいくためには気が遠くなるような忍耐が求められる。
「以前の僕は、風を感じた瞬間に『よし、3ヤードプラスで打つぞ』とか、『15フィート左に出すぞ』といったことを自動的に思い浮かべていた。考えなくても、そういうことが簡単にできた。でも、今は考えている。難しいコンディションならなおさら、考えながらじゃないとできない。それは僕にとっては、かなりのチャレンジなんだ」。
昔から考えなくても自然にできていたことが、今は考えなければできなくなっている。それは、持って生まれた特殊な才能が希薄になり、天才が天才ではなくなったといっても過言ではない。
ウッズのチャレンジはほかにもあった。1年ぶりの試合復帰で一番不安だったのは、シチュエーションに応じたショットの打ち分けが柔軟にできるかどうか。「ラフから打ち出せるかどうか。木を避けてショットを左右にシェイプできるかどうか。ときには加速して打つ必要もあった。でもどれも問題なくできた」。
米ツアーのトッププレーヤーなら当たり前のようにできるであろう項目ばかり。だが、今のウッズはそれさえも一つ一つ取り戻していくしかない。
焦らず、一つ一つ――。かつてゴルフの世界を独走し、疾走していた元王者が、そうやって地をはうように進んでいくためには気が遠くなるような忍耐が求められる。