ウッズより20年も30年も前からカリスマ的存在だったパーマーは、そんな昨今のゴルフ界に輝きを取り戻させるために、天国からベイヒルにやってきて、ちょっぴり魔法をかけたのではないだろうか。
5年ぶりの復活Vを狙うウッズに優勝争いをさせてくれたのは、パーマーの魂の後押しがあったからかもしれない。魂の仕業ゆえ、「後押し」の正体ははっきりとはわからない。だが、前週から2週連続で優勝争いに絡ませた筋書きは、ゴルフ界の興隆に尽力してきたパーマーが「ゴー、タイガー!」と拳を握りながら応援していたからこそだったのではないかと思えてくる。
首位に1打差まで迫ったウッズが16番で喫した痛恨のOB。あのとき「ノーノ―ノー。まだ勝っちゃダメだ。楽しみはマスターズまで取っておこう」と小声で囁くパーマーの声がどこからともなく聞こえてきた気がした。
それならば誰を勝たせるのか?その答えが最終日の上がり6ホールで5バーディーを奪い、逆転勝利を遂げたローリー・マキロイ(北アイルランド)だった。マキロイ自身、パーマーの魂を肌で感じていた様子だった。
「僕が最後に米ツアーで勝った日が、パーマーが亡くなった日だった」
そう、忘れもしない。2年前、2016年の最終戦「ツアー選手権」の日曜日。マキロイがウイニングパットを沈めようとしていたちょうどそのころ、パーマーは静かに息を引き取った。それはまるでゴルフ界のキングが「これからのゴルフ界を頼むよ」とマキロイにゴルフ界の未来を託したかのようで、そんな目に見えないバトンタッチは、単なる迷信や空想を越え、現実の中で本当に起こる現象なのだと心底、信じられた。
5年ぶりの復活Vを狙うウッズに優勝争いをさせてくれたのは、パーマーの魂の後押しがあったからかもしれない。魂の仕業ゆえ、「後押し」の正体ははっきりとはわからない。だが、前週から2週連続で優勝争いに絡ませた筋書きは、ゴルフ界の興隆に尽力してきたパーマーが「ゴー、タイガー!」と拳を握りながら応援していたからこそだったのではないかと思えてくる。
首位に1打差まで迫ったウッズが16番で喫した痛恨のOB。あのとき「ノーノ―ノー。まだ勝っちゃダメだ。楽しみはマスターズまで取っておこう」と小声で囁くパーマーの声がどこからともなく聞こえてきた気がした。
それならば誰を勝たせるのか?その答えが最終日の上がり6ホールで5バーディーを奪い、逆転勝利を遂げたローリー・マキロイ(北アイルランド)だった。マキロイ自身、パーマーの魂を肌で感じていた様子だった。
「僕が最後に米ツアーで勝った日が、パーマーが亡くなった日だった」
そう、忘れもしない。2年前、2016年の最終戦「ツアー選手権」の日曜日。マキロイがウイニングパットを沈めようとしていたちょうどそのころ、パーマーは静かに息を引き取った。それはまるでゴルフ界のキングが「これからのゴルフ界を頼むよ」とマキロイにゴルフ界の未来を託したかのようで、そんな目に見えないバトンタッチは、単なる迷信や空想を越え、現実の中で本当に起こる現象なのだと心底、信じられた。