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【記者の目】前代未聞、ミケルソンの行為の「その後」が注目されるべき

【記者の目】前代未聞、ミケルソンの行為の「その後」が注目されるべき

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2018年6月21日 12時05分

「道義的な問題からフィルを失格にすることもできたのではないか」と記者から質問が飛んだUSGA(全米ゴルフ協会)は、「2罰打を科すのが妥当」と一貫してその姿勢を崩さなかった。今回、人気選手の前代未聞の行為でゴルフルールに大きな注目が集まったのは間違いない。前述のルールの見直しも検討されるだろう。ゴルフが紳士のスポーツかどうかは分からないが、楽しくフェアにプレーするのは、どんなスポーツでも同じだと思う。

今回の「全米オープン」終了後、会場から100マイルほどの場所に本部を構えるUSGAを訪ねてみた。ニュージャージー州の中心。周囲には何もない、田舎町だ。そんな中にぽつんと本部が置かれている。世界のゴルフルールを統括するのがR&AとUSGA。そのUSGAのルール部門のコメントをもらおうと思ったが、担当者が全米オープンから戻っていなかった。

USGAの本部は分かりやすくいえば東京ドーム1コぶん以上の敷地はあるだろう。本部ビルとともに隣接するのはボビー・ジョーンズ、ベン・ホーガン、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラスら、米国の英雄をたたえる特別展示室が用意されたUSGAミュージアムが建つ。ゴルフ界の名士たちは今回の件についてどんな意見を持ったのだろう。そんなことを考えながら展示コーナーを見ていたら、外に大きなグリーンがあることを知った。

1930年代のパターとボールを借りてそこでボールを転がしてみたが、スピードこそないものの、傾斜の強いグリーンでボールの曲がりが半端ではない。傾斜を上り切らずに戻ってきたボールを打ち返してみた。「動いているボールを打ってしまったよ」とミュージアムの担当者に話すと、「2ペナルティだね」と笑顔で返ってきた。ルール上ペナルティで終わったミケルソン問題だが、やはりゴルフは止まっているボールを打つスポーツだ。改めてそう思いながら、米国を後にした。(文・高桑均)

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