22日付けで発表された世界ランキングで、「ザ・アメリカンエキスプレス」(1月19〜22日・米カリフォルニア州)でルーキーのデイビス・トンプソン(米国)を振り切り勝利したジョン・ラーム(スペイン)は、4位から1ランクアップの3位となった。
昨年12月はタイガー・ウッズ(米国)主催の「ヒーロー・ワールド・チャレンジ」(バハマ)は8位タイで終えたが、昨年10月に母国スペインでの行われた欧州ツアー、「アシアナオープン」、11月の欧州ツアー最終戦「DPワールドツアー選手権」でも勝利。2週前の米ツアーの23年初戦「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(米ハワイ州)で優勝しているラーム。出場過去6戦で4勝(4試合では3勝)と圧倒的な強さを見せているが、このザ・アメリカンエキスプレスの勝利でも1ランクアップしただけだった。
世界ランキング1位には到達しないと知っていたラームは「この試合にまた勝てたことがとてもうれしい…そう言うしかないよ」と諦め顔。以前からラームは世界ランキングのシステムを「何がどうなっているのかわからないから、世界ランキングは謎だ。笑うしかないよ」と不満を漏らしていた。
現在の世界ランキング1位は年明けから欠場が続いているローリー・マキロイ(北アイルランド)、2位はスコッティ・シェフラー(米国)で、5位はパトリック・キャントレー(米国)。シェフラーとキャントレーはザ・アメリカンエキスプレスに出場しており、勝利すれば世界ランキング1位につく可能性があったから、ラームにとっては余計に“謎”であった。
なぜそうなるかは世界ランキングが過去2年の成績を元に計算されるから。直近がより大きく反映されるが、過去のポイントが消去されることがラームのポイントが上昇しない要因となっている。また昨年変更された新しい出場選手による大会のポイント換算方法が批判の的ともなっているが、ラームのランキングでますます批判が増えることになりそうだ。(文・武川玲子=米国在住)