<ソニー・オープン・イン・ハワイ 事前情報◇9日◇ワイアラエCC(米ハワイ州)◇7044ヤード・パー70>
2025年シーズン開幕戦「ザ・セントリー」でツアー11勝目を挙げた松山英樹。舞台はハワイ・マウイ島からオアフ島に舞台を移し、次戦「ソニー・オープン・イン・ハワイ」が行われる。その前に、ツアー8勝目を挙げた2022年大会を振り返ってみよう。
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「苦手なコース」と自ら認めるワイアラエで、首位と2打差の単独2位から最終日をスタート。前半を3バーディで折り返したものの、首位のラッセル・ヘンリー(米国)もスコアを伸ばし、差を広げられてバックナインに入った。
ヘンリーが6番から3連続バーディに加えて、9番ではイーグルを奪取。この時点で5打差ついたが、ヘンリーが11番でボギー、対する松山が10番、11番で連続バーディ。そして15番でもバーディを決めて1打差に迫った。
松山は前半のプレーをこう振り返った。「悪いゴルフではなかったと思うけど、9番までは相手の勢いがすごかった。でも、チャンスが来ると思ってやっていた」。
16番でも2メートルのチャンスにつけたが、これが惜しくもカップに蹴られバーディを逃すと、最終18番パー5では勝負に出た。ティショットで338ヤード飛ばし2オンに成功すると、2パットのバーディ。対するヘンリーがパーとしたため、トータル23アンダーで並びプレーオフに突入した。
そして、18番で行われたプレーオフの1ホール目がこの大会のハイライト。277ヤードから3番ウッドで放った2打目は、「完璧なショット」とピン手前約1メートルにピタリ。劇的なイーグルを奪い、アジア人史上最多タイに並ぶ米ツアー8勝目を決めた。このス―パーショットにギャラリーからは大歓声が巻き起こった。
しかし、松山本人は「逆光で、まったく見えなかった」という。放った直後に頭上に手をかざし、後ろを振り返った。「歓声があったので、5メートルくらいに乗ったのかなと思いながら行ったら、意外と近かったのでびっくりしました。球筋が見えていたら記憶に残るんでしょうけど、全く見えていないので。記憶になにも残らないですね」と振り返ったが、ファンの記憶にはしっかり刻まれた一打となった。
試合終了後に行われた会見では、「きょうはたくさんお酒を飲みます(笑)」とおどけて見せた松山。今年は大会2勝目、さらにハワイシリーズ2連勝を目指す4日間になる。