クリスマス休暇を迎えた米ゴルフ界では、多くのメディアが2024年を振り返るニュースを伝えている。その中で、スポーツイラストレイテッド誌は『2024年、ゴルフ界の最も衝撃な出来事の一つ』として松山英樹を選出した。
特に「パリ五輪で銅メダルを獲得後、ロンドンで窃盗被害に遭い、直後に米テネシー州メンフィスで行われたフェデックス・セントジュード選手権で優勝した」という松山のめまぐるしい数週間が注目された。
同誌は、32歳の松山がフランスで銅メダルを獲得した直後に、ロンドンで不運に見舞われたことを詳細に報じている。「幸いにも松山本人のパスポートは無事だったものの、キャディとコーチのパスポートが盗まれたため、メンフィスへの移動が困難になった」と伝え、早藤将太キャディに代わり、久常涼のキャディを務める田淵大賀キャディがバッグを担いだことにも言及。「ロンドンでの不運が、逆に今週の勝利につながったのかもしれない」という松山のコメントも紹介している。
また、同誌の記者ボブ・ハリグ氏は「松山らはケガや病気、あるいは個人的な困難に直面するたび、集中力をさらに高める力を持つ。銅メダル獲得直後の窃盗被害という逆境にもかかわらず、素晴らしいプレーを持続した点が注目に値する」と分析。一方、別の記者ジェフ・リター氏は「彼らは盗難被害を受けた直後に優勝した。来年はメジャー大会の前に自ら窃盗を仕組むのではないか」とユーモアを交えてコメントした。(文・武川玲子=米国在住)