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    タイガー・ウッズのスイングを解説 「“右肩”を早く起こすから、スイングが穏やかに見える」

    ここ5年の間にスイング解析器とギアが目覚ましい進化を遂げ、300ヤードヒッターが急激に増加。「飛ばすなら曲がる」時代から「飛んで曲がらない」時代へ突入した。そんな世界のトッププロたちのスイングを、プロコーチの井上透氏が解説する。

    配信日時:2020年6月7日 22時00分

    • PGA
    目次 / index
    (撮影:Getty Images)
    (撮影:Getty Images)
    • 2019年のアドレス(撮影:岩本芳弘)
    • テークバック(撮影:岩本芳弘)
    • ハーフウェイバック(撮影:岩本芳弘)
    • バックスイング(撮影:岩本芳弘)
    • バックスイング2(撮影:岩本芳弘)
    • トップ・オブ・スイング(撮影:岩本芳弘)
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    復活したタイガーが軽く振っているように見える理由とは?

    2019年のアドレス(撮影:岩本芳弘)
    テークバック(撮影:岩本芳弘)
    ハーフウェイバック(撮影:岩本芳弘)
    バックスイング(撮影:岩本芳弘)
    バックスイング2(撮影:岩本芳弘)
    トップ・オブ・スイング(撮影:岩本芳弘)
    切り返し(撮影:岩本芳弘)
    ダウンスイング(撮影:岩本芳弘)
    ハーフウェイダウン(撮影:岩本芳弘)
    インパクト前(撮影:岩本芳弘)
    インパクト直後(撮影:岩本芳弘)
    フォロースルー(撮影:岩本芳弘)
    フォロースルー2(撮影:岩本芳弘)
    フォロースルー3(撮影:岩本芳弘)
    フィニッシュ(撮影:岩本芳弘)
    1 / 15
    2019年のアドレス(撮影:岩本芳弘)
    2002年のアドレス(撮影:鈴木祥)
    テークバック(撮影:鈴木祥)
    ハーフウェイバック(撮影:鈴木祥)
    バックスイング(撮影:鈴木祥)
    バックスイング2(撮影:鈴木祥)
    トップ・オブ・スイング(撮影:鈴木祥)
    切り返し(撮影:鈴木祥)
    ダウンスイング(撮影:鈴木祥)
    インパクト(撮影:鈴木祥)
    フォロースルー(撮影:鈴木祥)
    フォロースルー2(撮影:鈴木祥)
    フィニッシュ(撮影:鈴木祥)
    1 / 12
    2002年のアドレス(撮影:鈴木祥)

    復活したタイガーが軽く振っているように見える理由とは?

    2019年に11年ぶりのメジャー勝利となるマスターズを制し、再び存在感を増してきているタイガー・ウッズ。そのキャリアは左ヒザや腰の故障との戦いで、一時は「タイガーはもう終わった」という声さえ聞こえてきていた。そこから体の負担を減らすスイングに改造して、第一線にカムバック。そんなタイガーのスイングを、最先端の理論に詳しいプロコーチの井上透氏が解説する。

    ------------------

    若い頃に比べると猛々しさが削られて、効率的に力を出そうとしているのが伝わってくるスイングです。今は急激な力のかけ方をしていません。足の踏み込み動作だったり、切り返しで手首に力はかかっていますが、それがとても穏やか。思いっ切り打ってタイミングが合わないリスクを取るよりは、足とクラブにタイミングよく力をかけることを優先しています。それがあまり力を入れずに軽く振っているように見える大きな理由です。

    フォローで“右肩”を早く起こし、体への負担を軽減

    2002年のスイングと比較すると、今は右肩が早く起きて肩がヨコ方向に回っている

    2002年のスイングと比較すると、今は右肩が早く起きて肩がヨコ方向に回っている

    注目すべきはフォロースルー。若い頃はもっとタテ方向に肩を回していたのが、今はヨコに回転しています。

    強振すると自動的にクラブの遠心力がかかって肩はタテにまわってしまうもの。でも、ある程度の年齢を過ぎて、タテ方向の回転動作をやり過ぎると、体の体勢に無理が出て怪我のリスクが高くなるのです。今のほうが右肩の起き上がりを早くしている理由は、左ヒザや体全体への負担を減らすためでしょうね。だから昔のような猛々しさはや若々しさは感じられない。そういう意味でタイガーも“おじさん化”してきました。

    切り返しの沈み込みと手首の角度は昔と変わらない

    切り返した瞬間に、ベルトのラインが沈み込み、手首の角度が深くなる。その動きは今も健在だ

    切り返した瞬間に、ベルトのラインが沈み込み、手首の角度が深くなる。その動きは今も健在だ

    かといって飛ばなくなったわけではありません。今も昔も切り返したときに体が沈み込み、手首の角度が非常に深くなる。必要なところに必要なだけの力はかけています。

    クラブやボールの進化、バイオメカニクス(スポーツ力学)の進歩は目覚ましく、今の最先端機器があれば地面からの力の大きさも測定できる。思いっ切り強振しなくても、インパクトで力をかけるタイミングが合えば、44歳のおじさんでも飛距離は伸ばせるのです。コンディション次第で、まだメジャーに勝つ可能性はあると思います。
    ■解説・井上透
    1973年生まれ。神奈川県出身。1997年からツアープロコーチとしてのキャリアをスタート。中嶋常幸、佐藤信人、米山剛などのコーチを務めた。現在は成田美寿々や穴井詩らを指導している。東京大学ゴルフ部監督としての顔も持つ。
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