17日、米ラスベガスで『Crypto.comショウダウン』のTVマッチが開催された。ローリー・マキロイ(北アイルランド)と世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)が組み、LIVゴルフで戦うブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカ(ともに米国)組と対戦。さなから“ツアーの威信をかけた戦い”になったが、結果はPGAツアー組が圧勝した。
現地時間午後3時、ラスベガス郊外のシャドークリークGCで始まった戦いは、日没が過ぎるとライトアップされたコースの中で18ホールのマッチプレーが実施された。フォーマットは1~6ホールまでがフォアボール、7~12ホールがフォアサム方式で行われ、それぞれの勝者が1ポイントを獲得。そして13~18番まではシングルスで戦われた。
砂漠に夕陽が傾くなか、それぞれのボールをプレーしベストスコアを採用するフォアボールで開幕すると、1番からマキロイのパッティングが冴える。バーディ発進したPGAツアーチームが1アップと、幸先の良いスタートを切った。勢いは持続しフォアボールを3&2で勝利し、まずはPGAツアーが1ポイントを先制。
1つの球を交互に打つフォアサムでもPGAツアー組のパッティングが冴える一方、LIV組はティショットが乱れた。PGAツアー組がイーグルを奪い1アップでフォアサムも勝利。2ポイント差でシングルスへ突入した。
マキロイはデシャンボー、シェフラーはケプカとの戦いに。16番パー5で、シェフラーが2オンし2パットのバーディを奪うと、ケプカは3メートルのバーディパットは入らず。これによりシェフラーが2アップで残り2ホールへ、という展開になり、0.5ポイントを得ることが確実になったため、18ホールを回らずにPGAツアー組の勝利が決まった。
今季7勝とパリ五輪金メダルを獲得したシェフラーだが、「ライトの下でプレーするのは想像以上にチャレンジだった。だけど勢いが最後まで続いて良かった」と満面の笑み。一方のマキロイは、最終日の終盤4ホールで3つのボギーを叩きデシャンボーに屈した“今年の全米オープンのリベンジマッチ”ともいえる対戦に勝利した。
今回は負けてしまったデシャンボーは、LIVゴルフ発足から3年目のシーズンが終了。長らくPGAツアーとLIVゴルフの対立が続いてきたが、初の直接対決には大きな注目が集まった。今回、PGAツアーが圧勝すると「もう一度戦うチャンスがほしい」とデシャンボーは悔しがった。ケプカも「次回を楽しみにしている」と付け加える。
勝利したマキロイとシェフラーは暗号資産『クロノス』1000万ドル(約15億3342万円)を獲得。表彰式では「この資産をどう使うか、これからゆっくり考えるよ」(マキロイ)と、“賞金”の行方に思いを巡らせた。(文・武川玲子=米国在住)