今月29日に、ローマ郊外で開幕する今年の米欧対抗戦「ライダーカップ」は、動画配信サービスNetflixの撮影クルーも会場に入り、その舞台裏をドキュメンタリー映像としておさめようとしている。しかし、米国チームのザック・ジョンソン主将が「チームルームなど、作戦に関わる場所にはNetflixは入れない」と通達した。
ジョンソンはPGAツアーの『フェデックスカップ・フォール』の初戦「フォーティネット選手権」(9月14〜17日・ナパバレー)に出場中。そして2週後には米国チーム12選手を擁し、ルーク・ドナルド主将率いる欧州チームと対戦する。
ライダーカップの米国側を主催するPGA・オブ・アメリカのセス・ワーグ会長は、「Netflixは現地にやってくる。どこまでドキュメンタリーのために開放するかはチームの選手とキャプテンの判断に委ねた」と話してた。
今年2月にNetflixは『FULL SWING(フルスイング)』の第1シーズン(全8エピソード)を公開し、現在は第2シーズンを制作中。第1シーズンではローリー・マキロイ(北アイルランド)、コリン・モリカワ(米国)、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)に加え、LIVゴルフに移籍したブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソ(ともに米国)、イアン・ポールター(イングランド)らもとりあげ、多くのプライベートも公開され話題となった。
ゴルフファンのみならず、人物ドキュメンタリーはスポーツに関心のない視聴者も多く、ニールセン・メディアリサーチによると、視聴者の60%以上が25〜54歳、さらにそのうち63%がその後約2か月間でPGAツアーのテレビ観戦をしたという。
ライダーカップ、プレジデンツカップともにチームルームや宿舎などの一部はメディアが入れず、インタビューも制限されているのが慣習。「Netflixはゴルフ界にとってはすばらしいものだが、雑音は入れられない」とジョンソン主将は話した。(文・武川玲子=米国在住)