PGAツアーはプレーオフシリーズが終わり、先週は試合開催がないオフウィークだった。最後の最後まで日本のゴルフファンを湧かせた松山英樹も、ようやく日本へ戻り、束の間の休息を楽しんでいる様子である。
振り返れば、2024年の松山は大健闘だった。2月にシグネチャーイベントの「ジェネシス招待」を制し、8月には「パリ五輪」で銅メダルを獲得。パリから米国へ戻る途上、ロンドンで盗難被害に遭うという予想外の出来事に襲われたものの、臨時キャディとともにプレーオフ第1戦「フェデックスカップ・セントジュード選手権」を見事に制覇。苦境をモチベーションに変え、通算10勝目を挙げた松山には、これまで以上の「すごさ」が感じられた。
32歳。PGAツアーで本格参戦を開始した13-14年シーズンを「1年目」と数えると、今季は11年目となる。
21年「マスターズ」を制し、メジャー優勝を達成した松山が、その後も「プレーオフで勝つことを、ずっと目指していた」という具合に、依然として新たな目標を持ち続け、実際、プレーオフ第1戦を制してプレーオフ初優勝を挙げた。そうやって新たな目標を設定してはクリアしているところ、いまだに「初」や「新」を見据えては達成しているところに、彼のサステイナブルな強さとすごさが見て取れる。
プレーオフ最終戦「ツアー選手権」をフェデックスカップ・ランキング3位の好位置で迎えたのも、彼にとってはキャリア初だった。優勝して年間王者に輝く可能性に今年は最も近づき、だからこそ日本のファンの期待と興奮を最大化した。
そして、今季の彼が稼いだ賞金は1123万7611ドル(約16億円)で、PGAツアーの賞金ランキングでは堂々3位。いやいや、「すごい」と感服させられる。