<ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報◇13日◇TPCソーグラス ザ・プレイヤーズ・スタジアムC(米フロリダ州)◇7275ヤード・パー72>
米国男子ツアーのフラッグシップ大会が現地時間14日(木)から始まる。開幕前日の早朝からローリー・マキロイ(北アイルランド)が記者に囲まれていた。
そこでまずマキロイが話したのは、前週のシグネチャーイベント「アーノルド・パーマー招待」で2位に5打差をつけて圧勝した世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)のこと。いままでブレード型のパターを使用していたシェフラーは、マキロイの“アドバイス”でマレット型に変えて試合に挑んでいた。
それはその3週間前に松山英樹が2年ぶり通算9勝目を挙げた「ジェネシス招待」の最終日のこと。テレビ放送をしていたCBSスポーツの解説席にいたマキロイがパッティングで苦戦するシェフラーの姿をみて「マレット型に変えたほうがいい」と発言したのだ。そのアドバイスにしたがったかのようにシェフラーはマレット型に変更。すると1年ぶりの勝利へと見事につながった。マキロイは「もうシェフラーには2度とアドバイスはしないよ(笑)」とジョークを飛ばす。
一方で、PGAツアーには多くの進言を口にした。「シグネチャーイベントは昨年のほうがずっとTV視聴率が良かった」と指摘。実際にアーノルド・パーマー招待では、昨年カート・キタヤマ(米国)が勝ったときよりも30パーセントダウンした。
「何が原因か分からないが、2023年のほうが良かったようだ」とマキロイ。PGAツアーとサウジアラビアの政府系ファンド、PIFが統合し新たな利益会社となる統合問題で揺れるPGAツアーへの不信感がファンの間でもだんだんと広まっているのではとし、「トレイン(ツアー)はスピードアップするべきだ」と進まない統合問題へ不満を募らせた。
今大会の開幕2日前にはPGAツアーのジェイ・モナハン会長が記者会見を開いた。その席ではPGAツアーに投資が決まっているストラテジック・スポーツ・グループ(SSG)とともに1月にサウジアラビアでPIFのヤシール・アル・ルマイヤン会長と会談し、PIFとの話し合いが 「加速した」と語っている。PIFはLIVゴルフの資金をバックアップし、ジョン・ラーム(スペイン)、ブルックス・ケプカ(米国)というメジャーチャンピオンを有している。
マキロイは「トッププレーヤーが別々のリーグで戦っている限り問題は解決しない」とし、「みんなもう争いにうんざりしている。ひとつにまとめて前進する方法をみつけるべきだ」と主張した。(文・武川玲子=米国在住)