<WMフェニックス・オープン 初日◇8日◇TPCスコッツデール スタジアムC(米アリゾナ州)◇7261ヤード・パー71>
ウェイティング1番手だった久常涼が初日の朝に急きょ、繰り上げで出場が決まった。「(出場が決まったのは)スタートのたぶん3分ぐらい前に(笑)。出場ができてラッキーでした」。
繰り上げ出場が決まった理由は、現地時間午前8時26分にスタートするはずだったルーカス・グローバー(米国)がまさかの“遅刻”で出場を取りやめたから。確認の電話をホテルの部屋で受けたグローバーは間に合わないと判断して、大会を棄権。久常の出場が決まった。
午前6時半頃にコース入りし、体を動かしながら待機していたが、「雰囲気的に出られる感じじゃなかった」という。そのなかで舞い込んだ朗報。レンジでの練習は行わず、ぶっつけ本番でコースへと飛び出していった。
大雨による一時中断を挟みながら、3バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「73」。2オーバーの暫定97位タイでホールアウトした。「前半はプレーできた喜びで良かったけど、タフなコンディションで、途中に冷静さを欠くプレーが多かった」と振り返った。
今大会の名物ホール、16番パー3ではPGAさながらの“洗礼”も浴びた。グリーンを巨大なスタンドが取り囲むスタジアムホールでは、悪天候でもギャラリーの熱が冷めることはない。大観衆の中で放ったティショットはグリーンを外して“ブーイング”を浴びるが、2打目はピンをかすめるナイスアプローチを見せて大歓声を引き出した。
この米ツアー屈指の名物ホールを“初体験”した久常は、「天気が良くないなかでもこれだけのギャラリーがいる。ああいうガヤガヤした中で打つのちょっと慣れていないというか、ドキドキした」と話した。
初日は日没サスペンデッドとなったが、予選カットラインを追いかける2日目になりそうだ。「まだ明日に希望はあると思うので、しっかり伸ばせば4日間プレーできるんじゃないかなと。頑張りたいです」。幸運を味方につけた21歳は巻き返しを誓った。