<ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報◇12日◇TPCソーグラス ザ・プレイヤーズ・スタジアムC(米フロリダ州)◇7275ヤード・パー72>
第5のメジャーと呼ばれる「ザ・プレーヤーズ選手権」は米フロリダ州ポンテ・ベドラ・ビーチ、PGAツアー本部のお膝元でもあるTPCソーグラスで開催される。
開幕の2日前、PGAツアー・ジェイ・モナハン会長の公式会見が行われた。今年は第50回目と記念すべき大会だが、午前11時にが姿を現すと、お祝いムードとはほど遠い空気だった。
会見時間はなんと57分。「PGAツアーは世界のゴルフをリードするツアーだ」と自信に満ちたモナハン会長の言葉は延々と続いたが、質疑が始まると現在進行中のサウジアラビアの政府系ファンドでLIVゴルフをバックアップする『PIF』との統合問題について終始した。
「PIFとの交渉は加速し、進展している」と自信をみなぎらせる一方で、「交渉は公の場でするものではない」と進展状況などの詳細を話すつもりがないとした。
昨年6月、電撃的にPIFとの枠組み合意が発表されたときには、その合意期限は昨年の12月末日だった。それが延長され「春までには」と4月の「マスターズ」前には合意と期待されてきたが、「次ぎに会見を持つときには、もっと多くの進展を報告できると期待している」という。通常ではモナハン会長が公式会見を行うのは8月の最終戦「ツアー選手権」となる。
今年1月には新しく設立される営利団体「PGAツアーエンタープライズ」に米の巨大投資グループの『ストラテジック・スポーツ・グループ』からの投資を受けることを発表。そして、SSGとともにサウジアラビアを訪れPIFのヤシル・アルルマヤン会長と直接面談したという。「そこで統合に関する話し合いを大きく加速させた」と話したが、その内容は明らかにされなかった。
「まだ解決しなければならない問題がいくつかある」
その中の1つである、統合後にLIVゴルフの選手がPGAツアーにどのような形で復帰できるか?と問われると「どんな形になったとしても、すべての人が満足させることはできないだろう」と答えた。
最終的にPIFとの合意に至らない可能性はあるのだろうか?と重ねて聞かれると、「何度も同じ質問を形を変えてされているが、私の答えは同じだ。交渉は続けなければもとに戻ってしまう。今はやるべきことに集中するだけだ」。長きに渡る会見では進展の事実を見つけることはできず、結局のところは何も語らなかったのかもしれない。(文・武川玲子=米国在住)