<マスターズ 2日目◇12日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
今季海外メジャー初戦「マスターズ」の第2ラウンド。初日に続き強風がオーガスタ・ナショナルGCを襲った。アンダーパーでラウンドした選手はたったの8人。誰もが苦戦をする難コンディションで、初出場の新星が光を放った。
唯一の60台となる「69」で回ったのが、24歳のルドビグ・アバーグ(スウェーデン)だった。昨年の6月にプロ転向し、欧・米両ツアーで優勝を果たしている。1オーバー・35位タイで迎えたきょうは、6バーディ・2ボギーをマークし、トータル2アンダー・7位で決勝ラウンド進出を決めた。
「簡単ではなかったけど、かなりいいプレーができたと思う。特にグリーンがよく読めて、パットも思い通りに打てた」と一日を振り返る。「風が強すぎて、パットでもチップでもフルショットでも、どんなショットを打っても影響を受ける」ような悪コンディションだったが「ジョーとよく話し合って、とにかくチャンスを作ろうとした」と相棒のベテランキャディ、ジョー・スコブロン氏とともにオーガスタを攻略した。
アバーグには45年ぶりとなる“マスターズ初出場V”の期待がかかる。1979年の同メジャーで勝利を挙げたファジー・ゼラー(米国)以来の記録だ。4大メジャーのなかでも唯一コースを変更せずに開催されているマスターズは経験者が有利とされており、初出場の選手が勝利を手にすることは簡単ではない。
アバーグは「本当に楽しむことだけを考えている。ここオーガスタ・ナショナルは初めて。ここでプレーできるのは光栄なこと」。何よりも、マスターズで戦えていることに喜びを感じている。「できる限り目の前のことに集中し、先回りしすぎないようにすること」と慎重に挑んでいく。
アバーグのほかにも、トータル4アンダー・4位のニコライ・ホイガード(デンマーク)、トータル1アンダー・8位タイのマチュー・パボン(フランス)らがマスターズデビュー戦で奮闘している。初出場者はアマチュア4人を含め20人。そのうち10人が週末に進んだ。45年ぶり快挙達成の瞬間を見られるのか。最後まで目が離せない。