<全英オープン 事前情報◇18日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>
今年の舞台、ロイヤル・リバプールGCで前回行われた2014年大会。自身2度目の全英出場だった松山英樹だが、予選ラウンドを同組で回ったローリー・マキロイ(北アイルランド)のことが、いまでも頭に残っている。
風が吹くリンクスでドライバーを幾度となく振り抜いたマキロイは、攻撃姿勢で連日「66」をマークする驚異的なプレー。松山は2日目の後半にボギーが重なり、24位タイで決勝ラウンドへと進んだ。4日間を終えて、マキロイはトータル17アンダーというスコアで勝利し、松山はトータル1アンダーの39位タイでフィニッシュ。「自分がやっていることとかけ離れたことをされている感じ」と振り返る光景は、当時米ツアー本格参戦1年目だった22歳の脳裏に焼き付いた。
あれから9年が経ち、リバプールに戻ってきた。月曜日には比嘉一貴と18ホールを回り、冷たい雨が降りしきった火曜日には岩田寛、金谷拓実、中島啓太とアウトコースをラウンド。フィニッシュで手を離す場面も多く見られ、「曲がっていましたね」と調子はあまり芳しくないなか、動画を撮影したり弾道測定器を使用したりしながら細かい調整を重ねる。グリーン周りのチェックも怠らず、アプローチも入念に確認した。
コースは「あまり変わってないな」という印象ながらも、17番にはパー3が新設。距離は140ヤードほどと短いが、強い海風の影響は計り知れず、グリーン周りのハザードも手ごわそう。火曜日までに1度だけティイングエリアにも立ったが、「そのときになってみないとわからない。風向きとか特に」と警戒するホールのひとつでもある。
この全英が今季メジャー最終戦。21年大会覇者として臨んだ「マスターズ」は16位タイ、「全米プロ」は29位タイ、「全米オープン」は32位タイで終えているが、「いい成績を出したいっていうのはありますけど、期待と裏腹になってる」と満足のいく結果とはいえず、メジャー2勝目がなかなか遠い。
さらには、現在56位につけているポイントランキングも気になるところ。上位30人のみが出場できる最終戦「ツアー選手権」の資格を得るために、場合によっては“6連戦”を強いられる可能性もある。「今週、来週頑張れれば、(再来週から)休みます。 休めるように頑張ります」と、ビッグポイントを獲得し一気に安全圏への浮上をも目指す。
「今週は天気も荒れそうですし、ガマン比べになるのかなと思いながら。でも9年前のこともあるのでなんとも言えない」。自身9度目の全英オープン。過去最高位は初出場だった13年(ミュアフィールド)の6位タイだが、それ以上の結果も求めたいリバプールでの戦いが、まもなく幕を開ける。(文・笠井あかり)